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2026年4月10日

三角関数とは? ①三角比(直角三角形による定義)

 三角関数$\sinθ, \cosθ, \tanθ$とは何でしょうか?

これらはまず、直角三角形における三角比として定義されます。


三角比とは?

 三角比とは、直角三角形の1つの鋭角に対して定まる2辺の長さの比のことです。
その中で代表的なものが3つあり、それは$\sin, \cos, \tan$です。
これらの定義は以下のようなものです。
三角比の定義
直角三角形の1つの鋭角の大きさを$θ$、鋭角$θ$の隣接辺の長さを$x$、鋭角$θ$の対辺の長さを$y$、斜辺の長さを$r$とすると、
\begin{align*}\sin\theta&=\frac{y}{r}\\[1em]\cos\theta&=\frac{x}{r}\\[1em]\tan\theta&=\frac{y}{x}\end{align*}
すなわち、
$\sinθ$は斜辺の長さに対する$θ$の対辺の長さの比
$\cosθ$は斜辺の長さに対する$θ$の隣接辺の長さの比
$\tanθ$は$θ$の隣接辺に対する対辺の長さの比を表します。

坂道で例えれば、
$\sinθ$は傾斜角$θ$の坂道に沿って$1$m進むと高度が何m増えるか、
$\cosθ$は傾斜角$θ$の坂道に沿って$1$m進むと水平に何m進むか、
$\tanθ$は傾斜角$θ$の坂道を水平に$1$m進むと高度が何m増えるかを表したものです。
($\tanθ$は建築や道路で勾配率として利用されています。)

 $θ$の等しい直角三角形は、1組の鋭角が等しいので相似、すなわち形が同じで大きさの異なる直角三角形です。

したがって、$θ$が等しければどのような大きさの直角三角形をもちいても2辺の比は変わりません。
すなわち、三角比の値は鋭角の大きさによってのみ定まるということです。

斜辺の長さが1の直角三角形の他の2辺の長さ
 $\sinθ, \cosθ$の定義より、斜辺の長さが$1$の直角三角形においては、$\sinθ$は$θ$の対辺の長さ、$\cosθ$は隣接辺の長さに一致することがわかります。
すると、$\tanθ$は定義より
\[\tan\theta=\frac{y}{x}=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\]
と表せます。これは$\sinθ, \cosθ, \tanθ$の相互関係の1つです。

有名角における三角比

 有名角$30°, 45°, 60°$における三角比は、特徴的な直角三角形に現れる角であるためによく知られています。

$45°$における三角比

 最初に$45°$における三角比を紹介します。
これは、$45°-45°-90°$の直角二等辺三角形をもちいて求めます。
45°-45°-90°の直角二等辺三角形
この直角二等辺三角形の3辺の比は$1:1:\sqrt{2}$であるため、3辺の長さは正の実数$k$をもちいて$x=k, y=k, r=\sqrt{2}k$となります。
したがって、定義より
\begin{align*}\sin45°&=\frac{y}{r}=\frac{k}{\sqrt{2}k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{1}{\sqrt{2}}}\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{2}}{2}\quad(分母を有理化した場合)\\[1em]\cos45°&=\frac{x}{r}=\frac{k}{\sqrt{2}k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{1}{\sqrt{2}}}\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{2}}{2}\quad(分母を有理化した場合)\\[1em]\tan45°&=\frac{y}{x}=\frac{k}{k}\\[0.5em]&=\mathbf{1}\end{align*}
となります。
斜辺以外の2辺の長さが等しい直角二等辺三角形をもちいるため、$45°$における$\sin$と$\cos$の値は等しくなり、$\tan$の値は$1$になります。
正方形に対角線1本を引いてできるのが45°-45°-90°の直角三角形
なお、$45°-45°-90°$の直角二等辺三角形の内角と3辺の比は正方形と三平方の定理より導かれます。

$30°$における三角比

 $30°-60°-90°$の直角三角形をもちいて求めます。
30°-60°-90°の直角三角形
この直角三角形の3辺の比は$1:\sqrt{3}:2$であるため、$30°$の角に着目すれば3辺の長さは正の実数$k$をもちいて$x=\sqrt{3}k, y=k, r=2k$となります。
したがって、定義より
\begin{align*}\sin30°&=\frac{y}{r}=\frac{k}{2k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{1}{2}}\\[1em]\cos30°&=\frac{x}{r}=\frac{\sqrt{3}k}{2k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{\sqrt{3}}{2}}\\[1em]\tan30°&=\frac{y}{x}=\frac{k}{\sqrt{3}k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{1}{\sqrt{3}}}\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{3}}{3}\quad(分母を有理化した場合)\end{align*}
となります。

$60°$における三角比

 こちらも$30°-60°-90°$の直角三角形をもちいて求めます。
30°-60°-90°の直角三角形2
この直角三角形の3辺の比は$1:\sqrt{3}:2$であるため、$60°$の角に着目すれば3辺の長さは正の実数$k$をもちいて$x=k, y=\sqrt{3}k, r=2k$となります。
したがって、定義より
\begin{align*}\sin60°&=\frac{y}{r}=\frac{\sqrt{3}k}{2k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{\sqrt{3}}{2}}\\[1em]\cos60°&=\frac{x}{r}=\frac{k}{2k}\\[0.5em]&=\mathbf{\frac{1}{2}}\\[1em]\tan60°&=\frac{y}{x}=\frac{\sqrt{3}k}{k}\\[0.5em]&=\mathbf{\sqrt{3}}\end{align*}
となります。
$30°$に対する$60°$のように、自身に加えると$90°$になる角のことを余角といいます。
$θ$の余角における三角比は、$\sin$と$\cos$の値が入れ替わり、$\tan$の値が$\tanθ$の逆数になります。
これは、数式で表せば以下のようになります。
$θ$の余角は$90°-θ$と表せるので
\begin{gather*}\sin(90°-\theta)=\cos\theta\\[1em]\cos(90°-\theta)=\sin\theta\\[1em]\tan(90°-\theta)=\frac{1}{\tan\theta}\end{gather*}
事実、$30°$における三角比と$60°$における三角比を比較すると、これを満たしていることがわかります。
正三角形の1つの頂点から対辺へ垂線をおろしてできるのが30°-60°-90°の直角三角形
なお、$30°-60°-90°$の直角三角形の内角と3辺の比は正三角形と三平方の定理より導かれます。
 以上を表にまとめると次のようになります。
$θ$ $30°$ $45°$ $60°$
$\sinθ$ $\dfrac{1}{2}$ $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$
$\cosθ$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ $\dfrac{1}{2}$
$\tanθ$ $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ $1$ $\sqrt{3}$

このように、三角比は直角三角形の2辺の比で定義されます。
その中でも有名角における三角比は、図形の性質によって測定に頼らず簡単に求められる基本的な三角比です。

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