三角比とは、直角三角形の1つの鋭角$θ$に対して定まる2つの辺の比のことで、代表的なものに$\sinθ,
\cosθ, \tanθ$があります。
これらの値は、鋭角$θ$の大きさに応じてただ1つに定まります。
このように、ある値を決めると対応する値が1つに決まる関係を関数といいます。
したがって、$\sinθ, \cosθ,
\tanθ$は関数として扱うことができ、これらをまとめて三角関数といいます。
すなわち、角度と三角比の値との対応関係に着目したものが三角関数です。
直角三角形による定義においては三角比と三角関数は同じものとして扱うことができます。
しかし、直角三角形による定義では$θ$は鋭角なので、$0°<θ<90°$の範囲の角度にしか対応できません。
しかし、直角三角形による定義では$θ$は鋭角なので、$0°<θ<90°$の範囲の角度にしか対応できません。
そこで、任意の角度においても値を定められるように、直角三角形に依存しない定義として単位円をもちいて三角関数を定義します。
単位円による定義
単位円による定義は、直角三角形による定義を自然に拡張することができます。
まず、直角三角形の斜辺の長さを$1$に固定して鋭角$θ$の大きさを変化させると、様々な直角三角形をつくることができます。
このとき、$θ$の頂点を原点に固定し、$θ$の隣接辺をx軸の正の部分にとります。
また、対辺をy座標が正となる領域に配置すると、斜辺のもう1つの端点はちょうど原点を中心とする半径$1$の円、すなわち単位円周上を動きます。
このとき、$θ$の頂点を原点に固定し、$θ$の隣接辺をx軸の正の部分にとります。
また、対辺をy座標が正となる領域に配置すると、斜辺のもう1つの端点はちょうど原点を中心とする半径$1$の円、すなわち単位円周上を動きます。
このように、斜辺の長さを$1$に固定し$θ$を変化させると単位円が現れます。
そして、$0°<θ<90°$においては三角比より、単位円周上の点のx座標は$\cosθ$、y座標は$\sinθ$に対応します。
また、$\tanθ=\dfrac{\sinθ}{\cosθ}$となります。
この対応をもとに、$0°<θ<90°$以外の角に対しても三角関数を定義します。
また、$\tanθ=\dfrac{\sinθ}{\cosθ}$となります。
この対応をもとに、$0°<θ<90°$以外の角に対しても三角関数を定義します。
すなわち、単位円による三角関数の定義は次のように整理されます。
$\tanθ$の定義には別の見方もあり、それは
というものです。
なぜなら、直線の傾きとは「$x$が$1$だけ増えたときに$y$がどれだけ増えるか」を表したものであるため、原点を通る直線の$x=1$における点のy座標にそのまま傾きが現れるからです。
なぜなら、直線の傾きとは「$x$が$1$だけ増えたときに$y$がどれだけ増えるか」を表したものであるため、原点を通る直線の$x=1$における点のy座標にそのまま傾きが現れるからです。
そして、$\tanθ$が定義できない$\cosθ=0$のときは、この定義においては原点と点$(\cosθ,
\sinθ)$を通る直線と直線$x=1$が平行なときに対応しています。
このとき、2直線は交点をもたないため、そのy座標による定義ができません。
このとき、2直線は交点をもたないため、そのy座標による定義ができません。
三角関数の符号と変化
では次に、様々な角度における三角関数についてみていきますが、具体的な値については次に譲り、符号や振る舞いがどのようになっているのかをみていきます。
$θ=0°$のとき
ゆえに、単位円による定義より
\begin{align*}\sin0°&=\mathbf0\\[1em]\cos0°&=\mathbf1\\[1em]\tan0°&=\frac{\sin0°}{\cos0°}=\frac{0}{1}\\[0.5em]&=\mathbf0\end{align*}
となります。
$0°<θ<90°$のとき
$0°<θ<90°$における三角関数の値は、三角比と一致します。
この範囲内の単位円周上の点はx座標とy座標がともに正となる領域(第一象限)内にあるため、$\sinθ,
\cosθ$の値はともに正となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値もまた正となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値もまた正となります。
この範囲内で$θ$が増加するとき、
$\sinθ$は$0<\sinθ<1$の範囲で増加し、
$\cosθ$は$0<\cosθ<1$の範囲で減少し、
$\tanθ$は$0<\tanθ$の範囲で増加して限りなく大きくなります。
$\sinθ$は$0<\sinθ<1$の範囲で増加し、
$\cosθ$は$0<\cosθ<1$の範囲で減少し、
$\tanθ$は$0<\tanθ$の範囲で増加して限りなく大きくなります。
$θ=90°$のとき
ゆえに、単位円による定義より
$\tan90°$は$\cos90°=0$であるため定義されません。
\begin{gather*}\sin90°=\mathbf1\\[1em]\cos90°=\mathbf0\end{gather*}
となります。$\tan90°$は$\cos90°=0$であるため定義されません。
$90°<θ<180°$のとき
$90°<θ<180°$における単位円周上の点はx座標が負、y座標が正となる領域(第二象限)内にあるため、$\sinθ$の値は正、$\cosθ$の値は負となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は負となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は負となります。
この範囲内で$θ$が増加するとき、
$\sinθ$は$0<\sinθ<1$の範囲で減少し、
$\cosθ$は$-1<\cosθ<0$の範囲で減少し、
$\tanθ$は$\tanθ<0$の範囲で増加します。
$\sinθ$は$0<\sinθ<1$の範囲で減少し、
$\cosθ$は$-1<\cosθ<0$の範囲で減少し、
$\tanθ$は$\tanθ<0$の範囲で増加します。
$θ=180°$のとき
ゆえに、単位円による定義より
\begin{align*}\sin180°&=\mathbf0\\[1em]\cos180°&=\mathbf{-1}\\[1em]\tan180°&=\frac{\sin180°}{\cos180°}=\frac{0}{-1}\\[0.5em]&=\mathbf0\end{align*}
となります。
$180°<θ<270°$のとき
$180°<θ<270°$における単位円周上の点はx座標とy座標がともに負となる領域(第三象限)内にあるため、$\sinθ
,\cosθ$の値はともに負となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は正となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は正となります。
この範囲内で$θ$が増加するとき、
$\sinθ$は$-1<\sinθ<0$の範囲で減少し、
$\cosθ$は$-1<\cosθ<0$の範囲で増加し、
$\tanθ$は$0<\tanθ$の範囲で増加して限りなく大きくなります。
$\sinθ$は$-1<\sinθ<0$の範囲で減少し、
$\cosθ$は$-1<\cosθ<0$の範囲で増加し、
$\tanθ$は$0<\tanθ$の範囲で増加して限りなく大きくなります。
$θ=270°$のとき
ゆえに、単位円による定義より
$\tan270°$は$\cos270°=0$であるため定義されません。
\begin{gather*}\sin270°=\mathbf{-1}\\[1em]\cos270°=\mathbf0\end{gather*}
となります。$\tan270°$は$\cos270°=0$であるため定義されません。
$270°<θ<360°$のとき
$270°<θ<360°$における単位円周上の点はx座標が正、y座標が負となる領域(第四象限)内にあるため、$\sinθ$の値は負、$\cosθ$の値は正となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は負となります。
そして、これらの比として定まる$\tanθ$の値は負となります。
この範囲内で$θ$が増加するとき、
$\sinθ$は$-1<\sinθ<0$の範囲で増加し、
$\cosθ$は$0<\cosθ<1$の範囲で増加し、
$\tanθ$は$\tanθ<0$の範囲で増加します。
$\sinθ$は$-1<\sinθ<0$の範囲で増加し、
$\cosθ$は$0<\cosθ<1$の範囲で増加し、
$\tanθ$は$\tanθ<0$の範囲で増加します。
$θ=360°$のとき
ゆえに、$θ=0°$における単位円周上の点$(1,
0)$と一致するため、単位円による定義より
\begin{align*}\sin360°&=\mathbf0\\[1em]\cos360°&=\mathbf1\\[1em]\tan360°&=\frac{\sin360°}{\cos360°}=\frac{0}{1}\\[0.5em]&=\mathbf0\end{align*}
となります。
一般角をもちいて三角関数を定義しているので、$360°$より大きい角度や負の角度の場合にも対応できます。
$θ>360°$のとき
$θ>360°$というのは、$θ=360°$における半径よりさらに反時計回りに回転した角度ということです。
このとき、$θ$は$0°≦α<360°$である角度$α$に$360°$ずつ角度を加えたものと考えることができ、$θ=α+360°×n$(ただし、$n:$自然数)と表せます。
このとき、$θ$は$0°≦α<360°$である角度$α$に$360°$ずつ角度を加えたものと考えることができ、$θ=α+360°×n$(ただし、$n:$自然数)と表せます。
$θ=360°$のときより、$360°$回転すると元の位置に戻ってくることから、$θ$における単位円周上の点と$α$における単位円周上の点は一致します。
したがって、$θ=α+360°×n$と表せるならば、$α$における三角関数の値に一致します。
したがって、$θ=α+360°×n$と表せるならば、$α$における三角関数の値に一致します。
$θ<0°$のとき
$θ<0°$というのは、半径がx軸の正の部分から時計回りに原点を中心に回転した角度ということです。
このとき、$θ$に$360°$ずつ角度を加えていくと$0°≦α<360°$である角度$α$になることがあります。
すなわち、$α=θ+360°×n$(ただし、$n:$自然数)と表すことができ、このことから$θ$は$θ=α-360°×n$と表せることがわかります。
このとき、$θ$に$360°$ずつ角度を加えていくと$0°≦α<360°$である角度$α$になることがあります。
すなわち、$α=θ+360°×n$(ただし、$n:$自然数)と表すことができ、このことから$θ$は$θ=α-360°×n$と表せることがわかります。
$θ>360°$のときと同様、$360°$回転すると元の位置に戻ってくることから、$θ$における単位円周上の点と$α$における単位円周上の点は一致します。
したがって、$θ=α-360°×n$と表せるならば、$α$における三角関数の値に一致します。
したがって、$θ=α-360°×n$と表せるならば、$α$における三角関数の値に一致します。
$θ>360°$と$θ<0°$のときは以下のように統合することができます。
\begin{align*}\theta&=\alpha+360°\times k\\
&(0°\leqq\alpha<360°, k:整数)\end{align*}
と表すことができるならば、$α$における三角関数の値に一致します。
ちなみに、ある一定の値ごとに同じ振る舞いが繰り返されることを周期性といい、周期性のある関数、すなわちある一定の値ごとに同じ値をとる関数を周期関数といいます。
以上より、三角関数は$360°$の周期をもつ周期関数であることがわかります。
以上より、三角関数は$360°$の周期をもつ周期関数であることがわかります。
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