前回は、三角関数の単位円による定義と、象限ごとの三角関数の値の符号や変化についてみました。
では、三角関数の具体的な値はどのように求めるのでしょうか?
単位円による三角関数の定義を改めて以下に示します。
角度$θ$における三角関数の値は、$θ$における単位円周上の点からx軸へ垂線を引いて直角三角形をつくることで、三角比をもちいて求めることができます。
まずは、$0°≦θ<360°$の範囲で各象限における三角関数の値を求めます。
$θ=0°$における三角関数の値
第一象限における三角関数の値
第一象限に対応する角度は$0°<θ<90°$です。
$θ$における単位円周上の点$(\cosθ,
\sinθ)$からx軸へ垂線をおろすと、この垂線と$θ$における半径、そしてx軸で囲まれた直角三角形ができます。
この直角三角形は斜辺の長さが$1$、鋭角の1つが$θ$なので、$θ$に着目した三角比より、$θ$の隣接辺の長さが$\cosθ$、対辺の長さが$\sinθ$となります。
そして、$\dfrac{\sinθ}{\cosθ}=\tanθ$となります。
このように、垂線を下ろすことでできた直角三角形の辺の長さと単位円周上の点の座標がそのまま対応するため、$θ$における三角関数の値を求めることができます。
この直角三角形は斜辺の長さが$1$、鋭角の1つが$θ$なので、$θ$に着目した三角比より、$θ$の隣接辺の長さが$\cosθ$、対辺の長さが$\sinθ$となります。
そして、$\dfrac{\sinθ}{\cosθ}=\tanθ$となります。
このように、垂線を下ろすことでできた直角三角形の辺の長さと単位円周上の点の座標がそのまま対応するため、$θ$における三角関数の値を求めることができます。
三角関数は、もともと直角三角形の三角比をもとに考えられたものです。
単位円による定義は、それを任意の角度に対応できるようにするためのものなので、$0°<θ<90°$においては三角比と三角関数の値は一致します。
単位円による定義は、それを任意の角度に対応できるようにするためのものなので、$0°<θ<90°$においては三角比と三角関数の値は一致します。
有名角における三角関数の値は以下のようになります。
| $θ$ | $30°$ | $45°$ | $60°$ |
|---|---|---|---|
| $\sinθ$ | $\dfrac{1}{2}$ | $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ |
| $\cosθ$ | $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ | $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\dfrac{1}{2}$ |
| $\tanθ$ | $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ | $1$ | $\sqrt{3}$ |
$θ=90°$における三角関数の値
第二象限における三角関数の値
第二象限に対応する角度は$90°<θ<180°$です。
$θ$における単位円周上の点$(\cosθ,
\sinθ)$からx軸へ垂線をおろしてできる直角三角形は、斜辺の長さが$1$、鋭角の1つは$180°-θ$となります。
$180°-θ$における三角比より、$180°-θ$の隣接辺の長さが$\cos(180°-θ)$、対辺の長さが$\sin(180°-θ)$となります。
$180°-θ$における三角比より、$180°-θ$の隣接辺の長さが$\cos(180°-θ)$、対辺の長さが$\sin(180°-θ)$となります。
これらは、$θ$における単位円周上の点の座標そのものではなく、その絶対値に対応しています。
したがって、第二象限のx座標は負で、y座標は正であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$180°-θ$における三角比をもちいて
したがって、第二象限のx座標は負で、y座標は正であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$180°-θ$における三角比をもちいて
\begin{align*}\sin\theta&=\mathbf{\sin(180°-\theta)}\\[1em]\cos\theta&=\mathbf{-\cos(180°-\theta)}\\[1em]\tan\theta&=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=\frac{\sin(180°-\theta)}{-\cos(180°-\theta)}=-\frac{\sin(180°-\theta)}{\cos(180°-\theta)}\\[0.5em]&=\mathbf{-\tan(180°-\theta)}\end{align*}
で求められることがわかります。
例えば、$\cos120°$の値は
\begin{align*}\cos120°&=-\cos(180°-120°)=-\cos60°\\[0.5em]&=-\frac{1}{2}\end{align*}
となります。
この関係は第二象限に限らず、他の角においても同様に成り立ちます。
第二象限における代表的な三角関数の値は以下のようになります。
| $θ$ | $120°$ | $135°$ | $150°$ |
|---|---|---|---|
| $\sinθ$ | $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ | $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\dfrac{1}{2}$ |
| $\cosθ$ | $-\dfrac{1}{2}$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ |
| $\tanθ$ | $-\sqrt{3}$ | $-1$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ |
$θ=180°$における三角関数の値
第三象限における三角関数の値
第三象限に対応する角度は$180°<θ<270°$です。
$θ$における単位円周上の点$(\cosθ,
\sinθ)$からx軸へ垂線をおろしてできる直角三角形は、斜辺の長さが$1$、鋭角の1つは$θ-180°$となります。
$θ-180°$における三角比より、$θ-180°$の隣接辺の長さが$\cos(θ-180°)$、対辺の長さが$\sin(θ-180°)$となります。
$θ-180°$における三角比より、$θ-180°$の隣接辺の長さが$\cos(θ-180°)$、対辺の長さが$\sin(θ-180°)$となります。
これらは$θ$における単位円周上の点の座標の絶対値に対応しています。
したがって、第三象限のx座標、y座標はともに負であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$θ-180°$における三角比をもちいて
したがって、第三象限のx座標、y座標はともに負であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$θ-180°$における三角比をもちいて
\begin{align*}\sin\theta&=\mathbf{-\sin(\theta-180°)}\\[1em]\cos\theta&=\mathbf{-\cos(\theta-180°)}\\[1em]\tan\theta&=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=\frac{-\sin(\theta-180°)}{-\cos(\theta-180°)}\\[0.5em]&=\mathbf{\tan(\theta-180°)}\end{align*}
で求められることがわかります。
例えば、$\sin225°$の値は
\begin{align*}\sin225°&=-\sin(225°-180°)=-\sin45°\\[0.5em]&=-\frac{1}{\sqrt{2}}\end{align*}
となります。
この関係は第三象限に限らず、他の角においても同様に成り立ちます。
第三象限における代表的な三角関数の値は以下のようになります。
| $θ$ | $210°$ | $225°$ | $240°$ |
|---|---|---|---|
| $\sinθ$ | $-\dfrac{1}{2}$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ |
| $\cosθ$ | $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $-\dfrac{1}{2}$ |
| $\tanθ$ | $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ | $1$ | $\sqrt{3}$ |
$θ=270°$における三角関数の値
第四象限における三角関数の値
第四象限に対応する角度は$270°<θ<360°$です。
$θ$における単位円周上の点$(\cosθ,
\sinθ)$からx軸へ垂線をおろしてできる直角三角形は、斜辺の長さが$1$、鋭角の1つは$360°-θ$となります。
$360°-θ$における三角比より、$360°-θ$の隣接辺の長さが$\cos(360°-θ)$、対辺の長さが$\sin(360°-θ)$となります。
$360°-θ$における三角比より、$360°-θ$の隣接辺の長さが$\cos(360°-θ)$、対辺の長さが$\sin(360°-θ)$となります。
これらは、$θ$における単位円周上の点の座標の絶対値に対応しています。
したがって、第四象限のx座標は正で、y座標は負であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$360°-θ$における三角比をもちいて
したがって、第四象限のx座標は正で、y座標は負であることに注意すると、$θ$における三角関数の値は、$360°-θ$における三角比をもちいて
\begin{align*}\sin\theta&=\mathbf{-\sin(360°-\theta)}\\[1em]\cos\theta&=\mathbf{\cos(360°-\theta)}\\[1em]\tan\theta&=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=\frac{-\sin(360°-\theta)}{\cos(360°-\theta)}=-\frac{\sin(360°-\theta)}{\cos(360°-\theta)}\\[0.5em]&=\mathbf{-\tan(360°-\theta)}\end{align*}
で求められることがわかります。
例えば、$\tan300°$の値は
\begin{align*}\tan300°&=-\tan(360°-300°)=-\tan60°\\[0.5em]&=-\sqrt{3}\end{align*}
となります。
この関係は第四象限に限らず、他の角においても同様に成り立ちます。
第四象限における代表的な三角関数の値は以下のようになります。
| $θ$ | $300°$ | $315°$ | $330°$ |
|---|---|---|---|
| $\sinθ$ | $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $-\dfrac{1}{2}$ |
| $\cosθ$ | $\dfrac{1}{2}$ | $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ | $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ |
| $\tanθ$ | $-\sqrt{3}$ | $-1$ | $-\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ |
$θ≧360°$または$θ<0°$における三角関数の値
$θ≧360°$または$θ<0°$のとき、$0°≦α<360°$なる角度$α$をもちいて$θ=α+360°×n$($n:$整数、$n\neq0$)と表すことができます。
このとき、$360°$回転しても元の位置に戻ってくることから、$θ$における単位円周上の点と$α$における単位円周上の点は同一です。
このとき、$360°$回転しても元の位置に戻ってくることから、$θ$における単位円周上の点と$α$における単位円周上の点は同一です。
したがって、$θ$における三角関数と$α$における三角関数の値は一致し、$α=θ-360°×n$であることから
\begin{align*}\sin\theta&=\mathbf{\sin(\theta-360°\times
n)}\\[1em]\cos\theta&=\mathbf{\cos(\theta-360°\times
n)}\\[1em]\tan\theta&=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}=\frac{\sin(\theta-360°\times
n)}{\cos(\theta-360°\times
n)}\\[0.5em]&=\mathbf{\tan(\theta-360°\times n)}\end{align*}
で求められることがわかります。
例えば、$\sin420°$の値は
\begin{align*}\sin420°&=\sin(420°-360°)=\sin60°\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{3}}{2}\end{align*}
$\tan(-30°)$の値は
\[\tan(-30°)=-\tan(-30°+360°)=\tan330°\]
これは第四象限における三角関数なので
\begin{align*}\tan330°&=-\tan(360°-330°)=-\tan30°\\[0.5em]&=-\frac{1}{\sqrt{3}}\end{align*}
となります。
このように、任意の角における三角関数の値は単位円を考え、三角比をもちいることで求めることができます。
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