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2022年10月8日

柱体の底面の面積比は? 水の体積から求める

柱体と水槽
「2つの柱体$A$と$B$がある。直方体の水槽を1つ用意し、その中に柱体を底面が水槽の底と密着するように設置して固定し一定量の水を注ぐ。
柱体$A$を入れたときの水深は$5[\text{cm}]$、柱体$B$を入れたときの水深は$8[\text{cm}]$、空の水槽に水を入れたときの水深が$2[\text{cm}]$であるとき、次の問いに答えよ。
ただし、柱体の底面と水槽の底の間には隙間がなく、全く水が入らないものとする。

(1)水槽と柱体$A$の底面の面積比を求めよ。

(2)柱体$A$と柱体$B$の底面の面積比を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?

 注ぐ水の量が決まっていることに着目します。水の量が一定ということは、水の体積が一定であるということです。

(1)

 柱体の体積は$(底面積)\times(高さ)$で計算できます。
水槽の底面積を$S[\text{cm}^2]$とすると、何も入っていない水槽に水を注いだとき水深は$2[\text{cm}]$だったので、このときの水の体積は$2S[\text{cm}^3]$です。

柱体$A$の底面積を$S_A[\text{cm}^2]$とすると、水槽に柱体$A$を入れて、そこに水を注いだときの水深は$5[\text{cm}]$だったので、このときの水の体積は$5S[\text{cm}^3]$から$5S_A[\text{cm}^3]$を引いた$5S-5S_A[\text{cm}^3]$です。

注いだ水の体積は一定なので、上の2つの水の体積の式の関係は
\[2S=5S-5S_A\]
となります。これを変形すると
\begin{align*}2S&=5S-5S_A\\ \\ 3S&=5S_A\\ \\ \frac{3S}{S_A}&=5\\ \\ \frac{S}{S_A}&=\frac{5}{3}\end{align*}
これを比の値と考えれば$p:q$の比の値は$\dfrac{p}{q}$なので、水槽と柱体$A$の底面の面積比は
\[S:S_A=5:3\qquad\cdots(a)\]
となります。


(2)

 まずは水槽と柱体$B$の底面の面積比を求めます。
(1)と同様にして、柱体$B$の底面積を$S_B[\text{cm}^2]$とすると、水槽に柱体$B$を入れて、そこに水を注いだときの水深は$8[\text{cm}]$だったので、このときの水の体積は$8S-8S_B)[\text{cm}^3]$となるから
\begin{align*}2S&=8S-8S_B\\ \\ 6S&=8S_B\\ \\ \frac{6S}{S_B}&=8\\ \\ \frac{S}{S_B}&=\frac{4}{3}\end{align*}
このことから、水槽と柱体$B$の底面の面積比は
\[S:S_B=4:3\qquad\cdots(b)\]
となります。

 (a)と(b)から柱体$A$と柱体$B$の底面の面積比を求めるには比の性質
\[ka:kb=a:b\]
を利用します。

(a)の比の2項にそれぞれ$4$を掛けて
\[S:S_A=20:12\]
(b)の比の2項にそれぞれ$5$を掛けて
\[S:S_B=20:15\]
これで比の$S$の項が等しくなったので、2つの比の式を組み合わせることができます。
\[S:S_A:S_B=20:12:15\]
$S_A:S_B$の部分を取り出して、柱体$A$と柱体$B$の底面の面積比は
\[S_A:S_B=12:15=4:5\]
であるとわかります。
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