ヘロンの公式は三角形の3辺の長さがわかっているときに使える三角形の面積を求める公式です。
三角形の3辺の長さがそれぞれ$a, b, c$であるとき、三角形の面積SSは
S=√s(s−a)(s−b)(s−c)ただし、s=a+b+c2S=√s(s−a)(s−b)(s−c)ただし、s=a+b+c2
で求められます。
なぜ、この公式で面積を求められるのでしょうか?
上図のように三角形の各辺の長さをa,b,ca,b,c、各辺の対角をA, B, CA, B, Cとおくと、2辺とその間の角を使って三角形の面積SSは
S=12absinCS=12absinC
で求められます。
三角関数の相互関係sin2θ+cos2θ=1sin2θ+cos2θ=1より0°<θ<180°0°<θ<180°のときsinθ=√1−cos2θsinθ=√1−cos2θなので、
S=12ab√1−cos2CS=12ab√1−cos2C
となります。
また、余弦定理c2=a2+b2−2abcosCc2=a2+b2−2abcosCよりcosC=a2+b2−c22abcosC=a2+b2−c22abなので
S=12ab√1−(a2+b2−c22ab)2=12ab√1−(a2+b2−c2)2(2ab)2=12ab√(2ab)2−(a2+b2−c2)2(2ab)2=12ab⋅12ab√(2ab)2−(a2+b2−c2)2=14√(2ab)2−(a2+b2−c2)2S=12ab√1−(a2+b2−c22ab)2=12ab√1−(a2+b2−c2)2(2ab)2=12ab√(2ab)2−(a2+b2−c2)2(2ab)2=12ab⋅12ab√(2ab)2−(a2+b2−c2)2=14√(2ab)2−(a2+b2−c2)2
根号の中身は因数分解公式x2−y2=(x+y)(x−y)x2−y2=(x+y)(x−y)で因数分解できるので
S=14√(2ab+a2+b2−c2){2ab−(a2+b2−c2)}=14√{(a2+2ab+b2)−c2}{c2−(a2−2ab+b2)}=14√{(a+b)2−c2}{c2−(a−b)2}=14√(a+b+c)(a+b−c)(c+a−b)(c−a+b)=14√(a+b+c){(a+b+c)−2c}{(a+b+c)−2b}{(a+b+c)−2a}=14√(a+b+c){(a+b+c)−2a}{(a+b+c)−2b}{(a+b+c)−2c}
ここで、s=a+b+c2とおくと
S=14√2s(2s−2a)(2s−2b)(2s−2c)=14√2s⋅2(s−a)⋅2(s−b)⋅2(s−c)=14√16s(s−a)(s−b)(s−c)=14⋅4√s(s−a)(s−b)(s−c)=√s(s−a)(s−b)(s−c)
となります。
したがって、三角形の3辺がわかっているとき、この公式で三角形の面積を求めることができることがわかります。
また、ヘロンの公式は(∗)を変形した
S=√(a+b+c)(−a+b+c)(a−b+c)(a+b−c)4
というsをもちいない式でも表すことができます。
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