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2022年10月22日

円に内接する四角形の面積を求める方法 ブラーマグプタの公式

円に内接する四角形の面積は?
 円に内接する四角形の4辺の長さがわかっているとき、この四角形の面積S
S=(sa)(sb)(sc)(sd)s=a+b+c+d2
で求めることができます。この式をブーラマグプタの公式と呼びます。

なぜこの式で面積を求めることができるのでしょうか?


ブラーマグプタの公式 導出
 円に内接する四角形ABCDの各辺の長さをAB=a,BC=b,CD=c,DA=dとします。
ABC=θとすると、円に内接する四角形の対角の和は180°なので、CDA=180°θとなります。
対角線ACを引き、その長さをeとおくと、余弦定理より
ABCにおいて
e2=a2+b22abcosθ
CDAにおいて
e2=c2+d22cdcos(180°θ)
となります。
ここで、三角関数の性質よりcos(180°θ)=cosθなので、(2)
e2=c2+d22cd(cosθ)=c2+d2+2cdcosθ
となります。
(1),(3)を連立してcosθについて解くと
a2+b22abcosθ=c2+d2+2cdcosθ2(ab+cd)cosθ=a2+b2c2d2cosθ=a2+b2c2d22(ab+cd)
ABCDの面積をSとすると
S=△ABC+CDA=12absinθ+12cdsin(180°θ)
となります。
ここで、三角関数の性質よりsin(180°θ)=sinθなので、
S=12absinθ+12cdsinθ=12(ab+cd)sinθ
また、三角関数の相互関係sin2θ+cos2θ=1より、0°<θ<180°のときsinθ=1cos2θなので、
S=12(ab+cd)1cos2θ
となります。
これに(4)を代入して
S=12(ab+cd)1(a2+b2c2d22(ab+cd))2=12(ab+cd)4(ab+cd)2(a2+b2c2d2)24(ab+cd)2=12(ab+cd)12(ab+cd)4(ab+cd)2(a2+b2c2d2)2=144(ab+cd)2(a2+b2c2d2)2=14{2(ab+cd)(a2+b2c2d2)}{2(ab+cd)+(a2+b2c2d2)}=14{(c2+2cd+d2)(a22ab+b2)}{(a2+2ab+b2)(c22cd+d2)}=14{(c+d)2(ab)2}{(a+b)2(cd)2}=14{(c+d)(ab)}{(c+d)+(ab)}{(a+b)(cd)}{(a+b)+(cd)}=14(a+b+c+d)(ab+c+d)(a+bc+d)(a+b+cd)=14{(a+b+c+d)2a}{(a+b+c+d)2b}{(a+b+c+d)2c}{(a+b+c+d)2d}
※5行目から根号内で改行しています。
ここで、s=a+b+c+d2とおくと
S=14(2s2a)(2s2b)(2s2c)(2s2d)=142(sa)2(sb)2(sc)2(sd)=1416(sa)(sb)(sc)(sd)=144(sa)(sb)(sc)(sd)=(sa)(sb)(sc)(sd)
となります。
式の形や導出過程がヘロンの公式と似ています。
円に内接し、もう1つの円に外接する四角形
 円に内接する四角形が内接円を持つとき、四角形の4辺はすべて内接円の接線で、四角形の頂点は2本の接線の交点となります。
AB, BC, CD, DAと内接円の接点をそれぞれE, F, G, Hとすると、2本の接線の交点から接点までの距離は等しいので、各線分の長さを
{AE=HA=wEB=BF=xFC=CG=yGD=DH=z
とすると
{a=w+xb=x+yc=y+zd=z+w
また、a+b+c+d=2w+2x+2y+2zよりs=w+x+y+zなので、ブラーマグプタの公式に代入すると
S={(w+x+y+z)(w+x)}{(w+x+y+z)(x+y)}{(w+x+y+z)(y+z)}{(w+x+y+z)(z+w)}=(y+z)(z+w)(w+x)(x+y)=cdab=abcd
となります。

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