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2022年10月14日

半分に分割しても相似な長方形の縦横比は?

元の長方形と半分に切り分けた長方形が相似なときの2辺の比は?
ある長方形の長辺の中点で半分に切ってできた長方形が元の長方形と相似であったとき、長方形の2辺の比は何でしょうか?

2通りの方法で求めてみます。


長方形の2辺の比から求める

相似な長方形の2辺の比は等しい
 元の長方形の2辺の比を$x:y\ (x>y>0)$とおくと、切り分けてできた長方形の2辺の比は$y:\dfrac{x}{2}$となります。
この2つの長方形が相似であるということは上記の比が等しいということなので
\[x:y=y:\frac{x}{2}\]
が成り立ちます。これを$x$について解くと
\begin{align*}\frac{x^2}{2}&=y^2\\[0.5em]x^2&=2y^2\\[0.5em]x&=\sqrt{2}y&(\because x>y>0)\end{align*}
 したがって、長方形の2辺の比は
\[x:y=\sqrt{2}y:y=\sqrt{2}:1\]
であるとわかります。

相似な図形の面積比から求める

面積比から求める
 相似な2つの図形の相似比が$p:q$であるとき、面積比は$p^2:q^2$となります。
したがって、元の長方形と切り分けてできた長方形の面積比は$2:1$なので、相似比は$\sqrt{2}:1$となります。
このことから、元の長方形の長辺の長さを$\sqrt{2}$とすると切り分けてできた長方形の長辺の長さは$1$となります。

ところで、切り分けてできた長方形の長辺の長さは元の長方形の短辺の長さでもあるので、この長方形の2辺の比は$\sqrt{2}:1$であることがわかります。


 この長方形の2辺の比はA判、B判という紙の規格に使用されています。
A判の最大サイズはA0の$1189\text{[mm]}×841\text{[mm]}$で、この2辺の比は
\begin{align*}1189:841&=\frac{1189}{841}:1\\[0.5em]&≒1.4138:1\\[0.5em]&≒\sqrt{2}:1\end{align*}
B判の最大サイズはB0の$1456\text{[mm]}×1030\text{[mm]}$で、この2辺の比は
\begin{align*}1456:1030&=\frac{1456}{1030}:1\\[0.5em]&≒1.4136:1\\[0.5em]&≒\sqrt{2}:1\end{align*}
となり、どちらも$\sqrt{2}:1$に近い2辺の比を持つため、ほぼ元の紙の縦横比を維持したまま半分に切り分けていくことができます。($\sqrt{2}=1.41421356\cdots$)

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