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2025年4月6日

1からnまでの自然数の和(自然数を小さい順に並べた数列の第n部分和)

 1からnまでの自然数をすべて足し合わせると、その和S
S=n(n+1)2
となります。
この式を2通りの方法で導いてみます。

方法1

 1からnまでの自然数を小さい順に足し合わせたとき、この和はSとなり
(1)S=1+2+3++(n2)+(n1)+n
と表すことができます。
今度は、1からnまでの自然数を大きい順に足し合わせると、この和もSとなるので、
(2)S=n+(n1)+(n2)++3+2+1
と表せます。
(1)+(2)より
S=1+2+3++(n2)+(n1)+n+)S=n+(n1)+(n2)++3+2+12S=(n+1)+(n+1)+(n+1)++(n+1)+(n+1)+(n+1)
1からnまでの自然数の個数はn個なので、(n+1)n個あることより
2S=n(n+1)
となります。
これを両辺を2で割ると
S=n(n+1)2
という1からnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和を表す式を得ることができます。

方法2

 この方法では、恒等式
(k+1)2k2=2k+1
を利用します。
上の恒等式のk1からnまでの自然数を1つずつ代入して、n個の式をつくります。
すると、以下のような式ができます。
2212=21+13222=22+14232=23+1(n1)2(n2)2=2(n2)+1n2(n1)2=2(n1)+1(n+1)2n2=2n+1
これらの式の辺々を加えます。
2212=21+13222=22+14232=23+1(n1)2(n2)2=2(n2)+1n2(n1)2=2(n1)+1+)(n+1)2n2=2n+1(n+1)212=2{1+2++(n1)+n}+(1+1++1+1n)
すると、
(n+1)21=2S+n
という式が得られます。
この式をSについて解くと
(n2+2n+1)1=2S+nn2+2n=2S+n2S=n2+n=n(n+1)S=n(n+1)2
となり、1からnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和を表す式を得ることができます。

 ちなみに、1からnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和は、自然数を小さい順に並べた数列の第n部分和でもあり、この数列の一般項はnであることから
S=k=1nk
と書くことができます。
したがって、
k=1nk=n(n+1)2
が成り立ちます。

以下に紹介する動画のように視覚的に説明することもできます。
動画:Sum of n natural numbers | Visual Proof | MathVsScience | math - YouTube

トップ画像:Image by Dmitriy from Pixabay

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