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令和7年度共通テスト 数学Ⅰ・A 第3問 (2)だけ解説してみる


(i)

平面ABEDと球面Sが交わる部分と点P
 平面ABEDと球面Sが交わる部分と点Pはおよそ上図のようになります。
PABPEDに着目すると、
  • 円に内接する四角形の性質より、1つの内角とその対角の外角の大きさは等しいのでPAB=PED
  • 方べきの定理より
    PA PD=PBPEPAPE=PBPD
2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
相似比は\text{AB}:\text{ED}=3:9=\mathbf{1:3}です。
このことから、
\begin{align*}\text{PA}\ :\text{PE}&=1:3\\[0.5em]3\text{PA}&=\text{PE}\\[0.5em]&=\text{PB}+\text{BE}\\[0.5em]\therefore 3\text{PA}&=\text{PB}+11\tag{$\alpha$}\\[1em]\text{PB}\ :\text{PD}&=1:3\\[0.5em]3\text{PB}&=\text{PD}\\[0.5em]&=\text{PA}+\text{AD}\\[0.5em]\therefore 3\text{PB}&=\text{PA}+7\tag{$\beta$}\end{align*}
が成り立つことがわかります。
(α),(β)を連立すると、
(α)+(β)×3より
\begin{align*}3\text{PA}+9\text{PB}&=(\text{PB}+11)+(3\text{PA}+21)\\[0.5em]&=3\text{PA}+\text{PB}+32\\[0.5em]8\text{PB}&=32\\[0.5em]\therefore \text{PB}&=4\end{align*}
となり、これを(α)に代入すると
\begin{align*}3\text{PA}&=4+11\\[0.5em]&=15\\[0.5em]\therefore \text{PA}&=5\end{align*}
となるので、\mathbf{\text{PA}=5,\text{PB}=4}であることがわかります。

\text{(ii)}

平面BCFEと球面Sが交わる部分と点P
 平面\text{BCFE}と球面Sが交わる部分と点\text{P}はおよそ上図のようになります。
方べきの定理より
\begin{align*}\text{PC}\ \cdot \text{PF}&=\text{PB}\cdot \text{PE}\\[0.5em]\text{PC}\cdot(\text{PC}+\text{CF})&=\text{PB}\cdot(\text{PB}+\text{BE})\\[0.5em]\text{PC}\cdot(\text{PC}+17)&=4\cdot(4+11)\\[0.5em]\text{PC}^2+17\text{PC}&=60\\[0.5em]\text{PC}^2+17\text{PC}-60&=0\\[0.5em](\text{PC}+20)(\text{PC}-3)&=0\\[0.5em]\therefore\mathbf{\text{PC}}&\mathbf{=3}&(\because \text{PC}>0)\end{align*}
であることがわかります。
また、\text{(i)}と同様にして△\text{PBC}△\text{PFE}が相似であり、相似比は\text{PC}:\text{PE}=3:15=1:5であることがわかります。
したがって、
\begin{align*}\text{BC}\ :\text{EF}&=1:5\\[0.5em]3:\text{EF}&=1:5\\[0.5em]\text{EF}&=3\cdot5\\[0.5em]\therefore \text{EF}&=15\end{align*}
と求められます。

平面ACFDと球面Sが交わる部分と点P
 同様に平面\text{ACFD}と球面Sが交わる部分と点\text{P}はおよそ上図のようになり、△\text{PAC}△\text{PFD}は相似で、その相似比は
\begin{align*}\text{PA}\ :\text{PF}&=\text{PA}:(\text{PC}+\text{CF})\\[0.5em]&=5:(3+17)\\[0.5em]&=5:20\\[0.5em]&=1:4\end{align*}
であることがわかります。
したがって、
\begin{align*}\text{AC}\ :\text{FD}&=1:4\\[0.5em]3:\text{FD}&=1:4\\[0.5em]\text{FD}&=3\cdot4\\[0.5em]\therefore \text{FD}&=12\end{align*}
と求められます。

以上より、\mathbf{\text{EF}=15,\text{DF}=12}です。

\text{(iii)}

四面体P-DEF
 \text{(ii)}より\text{PD, PE, PF, DE, EF, FD}の長さがわかったので、四面体\text{P}-\text{DEF}はおよそ上図のようになることがわかります。
\text{DEF}に着目すると、3辺の比が\text{DE}:\text{FD}:\text{EF}=9:12:15=3:4:5となっています。
これは直角三角形となる3辺の比であり、最長である辺\text{EF}が斜辺、すなわち∠\text{EDF}=90°である直角三角形であることがわかります。
同様に面\text{PDE}\text{DE}:\text{PD}:\text{PE}=9:12:15=3:4:5なので、∠\text{PDE}=90°である直角三角形です。なお、∠\text{PDE}=∠\text{ADE}です。
ところで、直線\text{AD, DF}は平面\text{ACFD}上にあります。
したがって、直線\text{AD, DF}はそれぞれ直線\text{DE}に垂直なので、直線\text{DE}は平面\text{ACFD}に垂直であることがわかります。
また、このことから直線\text{DE}は平面\text{ACFD}上のどの直線とも垂直であるので、平面\text{ACFD}上の直線\text{AC}と直線\text{DE}は垂直であることがわかります。

 面\text{PDF}に着目すると、\text{PD}=\text{DF}である二等辺三角形であることがわかります。
もし、∠\text{PDF}が直角ならば直角二等辺三角形となり、\dfrac{\text{PF}}{\text{PD}}=\sqrt{2}となるはずですが、実際は\dfrac{\text{PF}}{\text{PD}}=\dfrac{20}{12}=\dfrac{5}{3}>\sqrt{2}です。
すなわち、\text{PF}\text{PD}\sqrt{2}倍より長いので∠\text{PDF}は鈍角であるということがわかります。なお、∠\text{PDF}=∠\text{ADF}です。
以下のような方法でも知ることができます。
余弦定理より
\cos\angle \text{PDF}=\frac{\text{PD}^2+\text{DF}^2-\text{PF}^2}{2\text{PD}\cdot \text{DF}}
が成り立つので、\cos∠\text{PDF}の値を調べてみると
\begin{align*}\cos\angle \text{PDF}&=\frac{12^2+12^2-20^2}{2\cdot12\cdot12}\\[0.5em]&=\frac{4^2(3^2+3^2-5^2)}{4^2(2\cdot3\cdot3)}\\[0.5em]&=\frac{3^2+3^2-5^2}{2\cdot3\cdot3}\\[0.5em]&=-\frac{7}{18}\end{align*}
と負の値となるので、0°<∠\text{PDF}<180°より∠\text{PDF}は鈍角であることがわかります。
ところで、直線\text{DE}は平面\text{ABED}と平面\text{DEF}の交線であり、直線\text{AD}は平面\text{ABED}上、直線\text{DF}は平面\text{DEF}上にあります。
上で直線\text{AD, DF}はそれぞれ直線\text{DE}に垂直であることがわかったので、直線\text{AD}\text{DF}のなす角∠\text{ADF}は平面\text{ABED}と平面\text{DEF}のなす角(二面角)となります。
したがって、∠\text{ADF}は鈍角なので平面\text{ABED}と平面\text{DEF}は垂直でないことがわかります。

以上より、
\text{(a)}:平面\text{ABED}と平面\text{DEF}は垂直である。」は
\text{(b)}:直線\text{DE}は平面\text{DEF}に垂直である。」は
\text{(c)}:直線\text{AC}と直線\text{DE}は垂直である。」は
となります。

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