幾何ベクトルでは、次のことが成り立ちます。
幾何ベクトルの実数倍の実数倍
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p, q$について
\[\large p(q\vec{a})=(pq)\vec{a}\]
幾何ベクトルの加法の交換法則
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}$について
\[\large \vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
幾何ベクトルの加法の結合法則
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$について
\[\large (\vec{a}+\vec{b})+\vec{c}=\vec{a}+(\vec{b}+\vec{c})\]
幾何ベクトルの実数倍の分配法則
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p, q$について
\[\large (p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}$と実数$p$について
\[\large p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
これらが成り立つことを確かめてみます。
幾何ベクトルの実数倍の実数倍
幾何ベクトル$\vec{a}$が零ベクトルのときと、零ベクトルでないときで場合分けして考えます。
$\vec{a}$が零ベクトルのとき
$p, q$にかかわらず、零ベクトルの実数倍は零ベクトルなので
\begin{align*}p(q\vec{0})&=p\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\\[1em](pq)\vec{0}&=\vec{0}\end{align*}
となります。
したがって、$\vec{a}$が零ベクトルのとき
\[p(q\vec{a})=(pq)\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
$\vec{a}$が零ベクトルでないとき
$p(q\vec{a})$は、$p,
q$の値にかかわらず$\vec{a}$の大きさを$|q|$倍し、さらに$|p|$倍したもの、すなわち$\vec{a}$の大きさを$|p||q|=|pq|$倍したものとなります。
これは、$(pq)\vec{a}$の大きさに等しいです。
これは、$(pq)\vec{a}$の大きさに等しいです。
次に、$p(q\vec{a})$と$\vec{a}$の向きを比較します。
幾何ベクトルの実数倍より、$q\vec{a}$の向きは、
幾何ベクトルの実数倍より、$q\vec{a}$の向きは、
- $q>0$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $q=0$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $q<0$のとき、$\vec{a}$と逆向き。
そして、$\vec{b}=q\vec{a}$とおき、$p\vec{b}$の向きを調べると、
- $\vec{b}=\vec{0}$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $\vec{b}≠\vec{0}$のとき
- $p>0$のとき、$\vec{b}$と同じ向き。
- $p=0$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $p<0$のとき、$\vec{b}$と逆向き。
この結果を$p,
q$に着目して、$p(q\vec{a})$と$\vec{a}$の向きとの比較をまとめると、
この$p, q$の値の組と$\vec{a}$との向きの関係は$(pq)\vec{a}$と同じです。
- ($p>0$かつ$q>0$)または($p<0$かつ$q<0$)のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $p=0$または$q=0$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- ($p>0$かつ$q<0$)または($p<0$かつ$q>0$)のとき、$\vec{a}$と逆向き。
この$p, q$の値の組と$\vec{a}$との向きの関係は$(pq)\vec{a}$と同じです。
したがって、$\vec{a}$が零ベクトルでないとき、向きと大きさがそれぞれ等しいことから
\[p(q\vec{a})=(pq)\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
以上より、
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p, q$について
が成り立つことがわかります。
\[\large p(q\vec{a})=(pq)\vec{a}\]
また、括弧によらず、表す幾何ベクトルが変わらないので、括弧を省略して
\[\large pq\vec{a}\]
と表すことができます。
幾何ベクトルの実数倍の実数倍を利用して、$\vec{a}$と実数$p$をもちいた$p(-\vec{a}),
-(p\vec{a})$について考えてみます。
幾何ベクトルの実数倍より
\begin{gather*}-\vec{a}=(-1)\vec{a}\end{gather*}
なので、
\begin{align*}p(-\vec{a})&=p\bigl\{(-1)\vec{a}\bigr\}\\[0.5em]&=(-p)\vec{a}\\[1em]-(p\vec{a})&=(-1)(p\vec{a})\\[0.5em]&=(-p)\vec{a}\end{align*}
となることから、
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p$について
が成り立つことがわかります。
\[\large p(-\vec{a})=-(p\vec{a})=(-p)\vec{a}\]
括弧によらず表す幾何ベクトルが変わらないので、括弧を省略して
\[\large -p\vec{a}\]
と表すことができます。
幾何ベクトルの加法の交換法則
$\vec{a}$または$\vec{b}$が零ベクトルのとき、$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとき、それ以外のときで場合分けして考えます。
$\vec{a}$または$\vec{b}$が零ベクトルのとき
「幾何ベクトルとは?(幾何ベクトル・幾何ベクトルの基本性質)」で示したように、
幾何ベクトル$\vec{a}$と零ベクトル$\vec{0}$について
が成り立ちます。
\begin{gather*}\vec{a}+\vec{0}=\vec{a}\\[1em]\vec{0}+\vec{a}=\vec{a}\end{gather*}
したがって、$\vec{a}$または$\vec{b}$が零ベクトルのとき、
\[\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとき
このとき、$\vec{a}$と$\vec{b}$の向きが同じときと互いに逆のときがあるので、場合分けして考えます。
$\vec{a}$と$\vec{b}$が同じ向きのとき
「幾何ベクトルとは?(幾何ベクトル・幾何ベクトルの基本性質)」で示したように、$\vec{a}+\vec{b}$は$\vec{a},
\vec{b}$と同じ向きで、大きさが$|\vec{a}|+|\vec{b}|$となります。
すると、同様に$\vec{b}+\vec{a}$は$\vec{a},
\vec{b}$と同じ向きで、大きさが$|\vec{b}|+|\vec{a}|$となります。
ここで、実数の加法の交換法則より
\[|\vec{a}|+|\vec{b}|=|\vec{b}|+|\vec{a}|\]
であり、向きと大きさがそれぞれ等しいので
\[\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
$\vec{a}$と$\vec{b}$が互いに逆向きのとき
「幾何ベクトルとは?(幾何ベクトル・幾何ベクトルの基本性質)」で示したように、$\vec{a}+\vec{b}$の大きさは$\bigl||\vec{a}|-|\vec{b}|\bigr|$、向きは
- $|\vec{a}|>|\vec{b}|$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $|\vec{a}|=|\vec{b}|$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $|\vec{a}|<|\vec{b}|$のとき、$\vec{b}$と同じ向き。
すると、同様に$\vec{b}+\vec{a}$の大きさは$\bigl||\vec{b}|-|\vec{a}|\bigr|$、向きは
- $|\vec{a}|>|\vec{b}|$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $|\vec{a}|=|\vec{b}|$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $|\vec{a}|<|\vec{b}|$のとき、$\vec{b}$と同じ向き。
ここで、実数の絶対値の性質より
\[\bigl||\vec{a}|-|\vec{b}|\bigr|=\bigl||\vec{b}|-|\vec{a}|\bigr|\]
であり、向きと大きさがそれぞれ等しいので
\[\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
それ以外のとき
それ以外のときとは、$\vec{a},
\vec{b}$がともに零ベクトルでなく、かつ平行でないときのことです。
このとき、$\vec{a}, \vec{b}$の有向線分を組み合わせて平行四辺形をつくることができます。
このとき、$\vec{a}, \vec{b}$の有向線分を組み合わせて平行四辺形をつくることができます。
そのうちの2辺は$\vec{a}$の終点と$\vec{b}$の始点が重なっているものです。
これの$\vec{a}$の始点から$\vec{b}$の終点までの有向線分で表されるのが$\vec{a}+\vec{b}$です。
これの$\vec{a}$の始点から$\vec{b}$の終点までの有向線分で表されるのが$\vec{a}+\vec{b}$です。
そして、他の2辺は$\vec{b}$の終点と$\vec{a}$の始点が重なっているものです。
これの$\vec{b}$の始点から$\vec{a}$の終点までの有向線分で表されるのが$\vec{b}+\vec{a}$です。
これの$\vec{b}$の始点から$\vec{a}$の終点までの有向線分で表されるのが$\vec{b}+\vec{a}$です。
これらは、$\vec{a},
\vec{b}$の有向線分からなる平行四辺形の同じ対角線に相当し、かつ向きが等しい有向線分であることから、
\[\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
以上より、
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}$について
が成り立つことがわかります。
\[\large \vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}\]
幾何ベクトルの加法の結合法則
次に、点$\text{B}$を始点とする$\vec{b}$を表す有向線分の終点を$\text{C}$、点$\text{C}$を始点とする$\vec{c}$を表す有向線分の終点を$\text{D}$とします。
すなわち、$\vec{a}=\vec{\text{AB}},\vec{b}=\vec{\text{BC}},$ $\vec{c}=\vec{\text{CD}}$となります。
すなわち、$\vec{a}=\vec{\text{AB}},\vec{b}=\vec{\text{BC}},$ $\vec{c}=\vec{\text{CD}}$となります。
すると、$(\vec{a}+\vec{b})+\vec{c}$は、幾何ベクトルの和より
\begin{align*}\vec{a}+\vec{b}&=\vec{\text{AB}}+\vec{\text{BC}}\\[0.5em]&=\vec{\text{AC}}\end{align*}
となることから、
\begin{align*}(\vec{a}+\vec{b})+\vec{c}&=\vec{\text{AC}}+\vec{\text{CD}}\\[0.5em]&=\vec{\text{AD}}\end{align*}
となります。
また、$\vec{a}+(\vec{b}+\vec{c})$は、
\begin{align*}\vec{b}+\vec{c}&=\vec{\text{BC}}+\vec{\text{CD}}\\[0.5em]&=\vec{\text{BD}}\end{align*}
となることから、
\begin{align*}\vec{a}+(\vec{b}+\vec{c})&=\vec{\text{AB}}+\vec{\text{BD}}\\[0.5em]&=\vec{\text{AD}}\end{align*}
となります。
したがって、
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$について
が成り立つことがわかります。
\[\large (\vec{a}+\vec{b})+\vec{c}=\vec{a}+(\vec{b}+\vec{c})\]
また、括弧によらず、表す幾何ベクトルが変わらないので、括弧を省略して
\[\large\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\]
と表すことができます。
幾何ベクトルの実数倍の分配法則
$(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}$
幾何ベクトル$\vec{a}$が零ベクトルのときと、零ベクトルでないときで場合分けして考えます。
$\vec{a}$が零ベクトルのとき
$p, q$にかかわらず、零ベクトルの実数倍は零ベクトルなので、
\begin{align*}(p+q)\vec{0}&=\vec{0}\\[1em]p\vec{0}+q\vec{0}&=\vec{0}+\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\end{align*}
となります。
したがって、$\vec{a}$が零ベクトルのとき
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
$\vec{a}$が零ベクトルでないとき
さらに、$p=0$または$q=0$のとき、$p,
q≠0$のときで場合分けして考えます。
・$p=0$または$q=0$のとき
$p=0$または$q=0$のときは、$p=q=0$のとき、$p=0$かつ$q≠0$のとき、$p≠0$かつ$q=0$のときの3つの場合に分けられます。
‥$p=q=0$のとき
$p=q=0$のとき、
\begin{align*}(0+0)\vec{a}&=0\vec{a}\\[0.5em]&=\vec{0}\\[1em]0\vec{a}+0\vec{a}&=\vec{0}+\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\end{align*}
となるので、
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
‥$p=0$かつ$q≠0$のとき
$p=0$かつ$q≠0$のとき、
\begin{align*}(0+q)\vec{a}&=q\vec{a}\\[1em]0\vec{a}+q\vec{a}&=\vec{0}+q\vec{a}\\[0.5em]&=q\vec{a}\end{align*}
となるので、
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
‥$p≠0$かつ$q=0$のとき
$p≠0$かつ$q=0$のとき、
\begin{align*}(p+0)\vec{a}&=p\vec{a}\\[1em]p\vec{a}+0\vec{a}&=p\vec{a}+\vec{0}\\[0.5em]&=p\vec{a}\end{align*}
となるので、
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
・$p, q≠0$のとき
このとき、$p\vec{a}$と$q\vec{a}$は平行です。
また、幾何ベクトルの実数倍より、$p, q$が同符号のとき$p\vec{a},
q\vec{a}$は同じ向きとなり、$p, q$が異符号のとき$p\vec{a},
q\vec{a}$は互いに逆向きとなることがわかります。
‥$p, q$が同符号のとき
$p\vec{a}+q\vec{a}$の向きは
これは、$(p+q)\vec{a}$の向きの
- $p>0$かつ$q>0$のとき、$p\vec{a}, q\vec{a}$は$\vec{a}$と同じ向きであるため、$\vec{a}$と同じ向き。
- $p<0$かつ$q<0$のとき、$p\vec{a}, q\vec{a}$は$\vec{a}$と逆向きであるため、$\vec{a}$と逆向き。
これは、$(p+q)\vec{a}$の向きの
- $p>0$かつ$q>0$、すなわち$p+q>0$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $p<0$かつ$q<0$、すなわち$p+q<0$のとき、$\vec{a}$と逆向き。
また、$p\vec{a}+q\vec{a}$の大きさは$p\vec{a},
q\vec{a}$の大きさの和であり、幾何ベクトルの実数倍より
$p>0$かつ$q>0$のとき
\begin{align*}|p\vec{a}+q\vec{a}|&=|p\vec{a}|+|q\vec{a}|\\[0.5em]&=|p||\vec{a}|+|q||\vec{a}|\\[0.5em]&=\bigl(|p|+|q|\bigr)|\vec{a}|\end{align*}
となり、絶対値の性質より
$p>0$かつ$q>0$のとき
\begin{align*}|p|+|q|&=p+q&(\because x>0\Rightarrow
|x|=x)\\[0.5em]&=|p+q|&(\because p>0,
q>0\Rightarrow p+q>0)\end{align*}
$p<0$かつ$q<0$のとき
\begin{align*}|p|+|q|&=(-p)+(-q)&(\because
x<0\Rightarrow
|x|=-x)\\[0.5em]&=-(p+q)\\[0.5em]&=|p+q|&(\because
p<0, q<0\Rightarrow p+q<0)\end{align*}
となるので、$p,
q$が同符号になるいずれの場合も$\vec{a}$の大きさの$|p+q|$倍であることがわかります。
これは、$p,
q$にかかわらず$\vec{a}$の大きさの$|p+q|$倍である$(p+q)\vec{a}$の大きさと同じです。
したがって、$p, q$が同符号のとき、向きと大きさがそれぞれ等しいので
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
‥$p, q$が異符号のとき
$p,
q$が異符号のときは、$p>0$かつ$q<0$のときと$p<0$かつ$q>0$のときがあります。
このとき、$p\vec{a}+q\vec{a}$の大きさは$p\vec{a}, q\vec{a}$の大きさの差の絶対値であり、
$p>0$かつ$q<0$のとき
このとき、$p\vec{a}+q\vec{a}$の大きさは$p\vec{a}, q\vec{a}$の大きさの差の絶対値であり、
\begin{align*}|p\vec{a}+q\vec{a}|&=\bigl||p\vec{a}|-|q\vec{a}|\bigr|\\[0.5em]&=\bigl||p||\vec{a}|-|q||\vec{a}|\bigr|\\[0.5em]&=\Bigl|\bigl(|p|-|q|\bigr)|\vec{a}|\Bigr|\\[0.5em]&=\bigl||p|-|q|\bigr|\bigl||\vec{a}|\bigr|&(\because
|xy|=|x||y|)\\[0.5em]&=\bigl||p|-|q|\bigr||\vec{a}|&(\because
\bigl||x|\bigr|=|x|)\end{align*}
となり、
$p>0$かつ$q<0$のとき
\begin{align*}\bigl||p|-|q|\bigr|&=\Bigl||p|+\bigl(-|q|\bigr)\Bigr|\\[0.5em]&=|p+q|&(\because
x>0, y<0\Rightarrow x=|x|, y=-|y|)\end{align*}
$p<0$かつ$q>0$のとき
\begin{align*}\bigl||p|-|q|\bigr|&=\bigl|-|p|+|q|\bigr|&(\because
|x|=|-x|)\\[0.5em]&=|p+q|&&(\because x<0,
y>0\Rightarrow x=-|x|, y=|y|)\end{align*}
となるので、$p,
q$が異符号になるいずれの場合も$\vec{a}$の大きさの$|p+q|$倍であることがわかります。
これは、$p,
q$にかかわらず$\vec{a}$の大きさの$|p+q|$倍である$(p+q)\vec{a}$の大きさと同じです。
また、$p\vec{a}+q\vec{a}$の向きは、$p\vec{a},
q\vec{a}$のうち、大きいほうの向きと同じになります。
そして、$p\vec{a}, q\vec{a}$の大きさの関係は$p, q$の絶対値の大小関係と同じで、$p\vec{a}, q\vec{a}$の向きは$p, q$の符号で決まります。
そして、$p\vec{a}, q\vec{a}$の大きさの関係は$p, q$の絶対値の大小関係と同じで、$p\vec{a}, q\vec{a}$の向きは$p, q$の符号で決まります。
したがって、$p, q$に着目すると$p\vec{a}+q\vec{a}$の向きは、
- $|p|>|q|$かつ$p>0$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $|p|>|q|$かつ$p<0$のとき、$\vec{a}$と逆向き。
- $|p|=|q|$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $|p|<|q|$かつ$q>0$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $|p|<|q|$かつ$q<0$のとき、$\vec{a}$と逆向き。
これは結局$(p+q)\vec{a}$の向きの
- $p+q>0$のとき、$\vec{a}$と同じ向き。
- $p+q=0$のとき、零ベクトルなので向きは不定。
- $p+q<0$のとき、$\vec{a}$と逆向き。
よって、$p, q$が異符号のとき、大きさと向きがそれぞれ等しいことから
\[(p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
が成り立つことがわかります。
以上より、
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p, q$について
が成り立つことがわかります。
\[\large (p+q)\vec{a}=p\vec{a}+q\vec{a}\]
また、$q=-q'$とおくと、
\begin{align*}\bigl\{p+(-q')\bigr\}\vec{a}&=(p-q')\vec{a}\\[1em]p\vec{a}+(-q')\vec{a}&=p\vec{a}-q'\vec{a}\end{align*}
となることから、
幾何ベクトル$\vec{a}$と実数$p, q$について
も成り立つことがわかります。
\[\large (p-q)\vec{a}=p\vec{a}-q\vec{a}\]
$p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}$
$p=0$のときと$p≠0$のときで場合分けして考えます。
$p=0$のとき
幾何ベクトルの実数倍より
\begin{align*}0(\vec{a}+\vec{b})&=\vec{0}\\[1em]0\vec{a}+0\vec{b}&=\vec{0}+\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\end{align*}
となります。
したがって、$p=0$のとき
\[p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
が成り立つことがわかります。
$p≠0$のとき
$p≠0$のときはさらに$\vec{a},
\vec{b}$がともに零ベクトルのとき、$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとき、それ以外のときで場合分けして考えます。
・$\vec{a}, \vec{b}$がともに零ベクトルのとき
幾何ベクトルの実数倍と和より
\begin{align*}p(\vec{0}+\vec{0})&=p\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\\[1em]p\vec{0}+p\vec{0}&=\vec{0}+\vec{0}\\[0.5em]&=\vec{0}\end{align*}
となります。
したがって、$\vec{a}, \vec{b}$がともに零ベクトルのとき
\[p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
が成り立つことがわかります。
・$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとき
$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとは、
零ベクトルでない$\vec{a},
\vec{b}$について、$\vec{b}=k\vec{a}$を満たす実数$k$が存在する。
ことですが、今回は一方が零ベクトルである場合を含めて、次のように考えます。
$\vec{a}$と$\vec{b}$が平行であるとは、
- $\vec{a}$が零ベクトルでない、かつ$\vec{b}=s\vec{a}$を満たす実数$s$が存在する。
- $\vec{b}$が零ベクトルでない、かつ$\vec{a}=t\vec{b}$を満たす実数$t$が存在する。
$\vec{a}$が零ベクトルでない、かつ$\vec{b}=s\vec{a}$を満たす実数$s$が存在する場合を考えます。
$\vec{b}=s\vec{a}$とおけるので、上で示した各計算法則を利用すると
$\vec{b}=s\vec{a}$とおけるので、上で示した各計算法則を利用すると
\begin{align*}p(\vec{a}+s\vec{a})&=p(1\vec{a}+s\vec{a})\\[0.5em]&=p\bigl\{(1+s)\vec{a}\bigr\}\\[0.5em]&=p(1+s)\vec{a}\\[1em]p\vec{a}+p(s\vec{a})&=p\vec{a}+ps\vec{a}\\[0.5em]&=(p
+ps)\vec{a}\\[0.5em]&=p(1+s)\vec{a}\end{align*}
となり、
\[p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
が成り立つことがわかります。
同様に考えて、$\vec{b}$が零ベクトルでない、かつ$\vec{a}=t\vec{b}$を満たす実数$t$が存在する場合でも
\[p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
が成り立つことがわかります。
・それ以外のとき
それ以外のときとは、$\vec{a},
\vec{b}$がともに零ベクトルでなく、かつ平行でないときです。
このとき、$\vec{a}, \vec{b}$の有向線分を組み合わせて平行四辺形をつくることができます。
このとき、$\vec{a}, \vec{b}$の有向線分を組み合わせて平行四辺形をつくることができます。
$p\vec{a}, p\vec{b}$はそれぞれ$\vec{a},
\vec{b}$に平行で、大きさを$|p|$倍したものです。
このことから、$p\vec{a}, p\vec{b}$を表す有向線分のみからなる平行四辺形は、$\vec{a}, \vec{b}$を表す有向線分のみからなる平行四辺形と相似であることがわかります。
このことから、$p\vec{a}, p\vec{b}$を表す有向線分のみからなる平行四辺形は、$\vec{a}, \vec{b}$を表す有向線分のみからなる平行四辺形と相似であることがわかります。
$p>0$のとき、$p\vec{a}, p\vec{b}$からなる平行四辺形は、$\vec{a},
\vec{b}$からなる平行四辺形をそのまま$|p|$倍に拡大したもの、
$p<0$のとき、$p\vec{a}, p\vec{b}$からなる平行四辺形は、$\vec{a}, \vec{b}$からなる平行四辺形を$180°$回転させてから$|p|$倍に拡大したものとなります。
$p<0$のとき、$p\vec{a}, p\vec{b}$からなる平行四辺形は、$\vec{a}, \vec{b}$からなる平行四辺形を$180°$回転させてから$|p|$倍に拡大したものとなります。
したがって、平行四辺形の対角線として$p\vec{a}+p\vec{b}$は、$\vec{a}+\vec{b}$と対応しており、大きさは$\vec{a}+\vec{b}$の$|p|$倍、向きは
- $p>0$のとき、$\vec{a}+\vec{b}$と同じ向き。
- $p<0$のとき、$\vec{a}+\vec{b}$と逆向き。
よって、$p(\vec{a}+\vec{b})$と向きと大きさがそれぞれ等しいので
\[p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
が成り立つことがわかります。
以上より、
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}$と実数$p$について
が成り立つことがわかります。
\[\large p(\vec{a}+\vec{b})=p\vec{a}+p\vec{b}\]
また、$\vec{b}=-\vec{b'}$とおくと、
\begin{align*}p\bigl\{\vec{a}+(-\vec{b'})\bigr\}&=p(\vec{a}-\vec{b'})\\[1em]p\vec{a}+p(-\vec{b'})&=p\vec{a}-p\vec{b'}\end{align*}
となることから、
幾何ベクトル$\vec{a}, \vec{b}$と実数$p$について
も成り立つことがわかります。
\[\large p(\vec{a}-\vec{b})=p\vec{a}-p\vec{b}\]
Share:

.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)
.png)



