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2026年9月9日

三角形の五心 ②三角形の外心とは?

三角形の外心
 三角形の外心とは、三角形の3つの辺の垂直二等分線が交わる点のことです。

どの三角形においても、3つの辺の垂直二等分線がただ1点で交わり、必ず外心が存在することを確かめてみます。


辺CAの垂直二等分線は辺AB, BCの垂直二等分線の交点Oを通るか?
 任意の三角形$△\text{ABC}$を考え、辺$\text{AB}, \text{BC}$それぞれの垂直二等分線を引き、交点を$\text{O}$とします。
辺$\text{CA}$の垂直二等分線が点$\text{O}$を通ることが示せれば、どの三角形にも外心が存在することがわかります。

辺AB, BC, CAの中点をそれぞれD, E, Fとする
 まず、辺$\text{AB}, \text{BC}, \text{CA}$の中点をそれぞれ$\text{D}, \text{E}, \text{F}$とすると、辺$\text{AB}$の垂直二等分線は直線$\text{DO}$、辺$\text{BC}$の垂直二等分線は直線$\text{EO}$となります。
△ADOと△BDOは合同
線分$\text{AO}, \text{BO}$を引き、$△\text{ADO}$と$△\text{BDO}$に着目すると
  • 共通する辺より$\text{DO}=\text{DO}$
  • 線分$\text{AB}$の中点が$\text{D}$なので$\text{AD}=\text{BD}$
  • 線分$\text{AB}$の垂直二等分線$\text{DO}$より$∠\text{ADO}=∠\text{BDO}=90°$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\text{AO}=\text{BO}\end{equation}
です。

△BEOと△CEOは合同
次に、線分$\text{CO}$を引き、$△\text{BEO}$と$△\text{CEO}$に着目すると
  • 共通する辺より$\text{EO}=\text{EO}$
  • 線分$\text{BC}$の中点が$\text{E}$なので$\text{BE}=\text{CE}$
  • 線分$\text{BC}$の垂直二等分線$\text{EO}$より$∠\text{BEO}=∠\text{CEO}=90°$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\text{BO}=\text{CO}\end{equation}
です。
AO=BO=CO
$(1), (2)$より
\begin{equation}\text{AO}=\text{CO}\end{equation}
であることがわかります。

△AFOと△CFOは合同
 今度は、線分$\text{FO}$を引き、$△\text{AFO}$と$△\text{CFO}$に着目すると
  • 共通する辺より$\text{FO}=\text{FO}$
  • 線分$\text{CA}$の中点が$\text{F}$なので$\text{AF}=\text{CF}$
  • $(3)$より$\text{AO}=\text{CO}$
3組の辺がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\angle \text{AFO}=\angle \text{CFO}\end{equation}
です。

$∠\text{AFO}, ∠\text{CFO}$は辺$\text{CA}$と直線$\text{FO}$が交わってできた角なので、
\[\angle \text{AFO}+\angle \text{CFO}=180°\]
であり、$(4)$より
\begin{align*}\angle \text{AFO}+\angle \text{AFO}&=180°\\[0.5em]2\angle \text{AFO}&=180°\\[0.5em]\angle \text{AFO}&=90°\\[0.5em]\therefore \angle \text{AFO}=\angle \text{CFO}&=90°\end{align*}
となり、直線$\text{FO}$は辺$\text{CA}$と直角に交わり、かつ辺$\text{CA}$の中点$\text{F}$を通るので、辺$\text{CA}$の垂直二等分線であることがわかります。

辺AB, BC, CAの垂直二等分線は点Oで交わる
したがって、辺$\text{CA}$の垂直二等分線は、辺$\text{AB}, \text{BC}$の垂直二等分線の交点$\text{O}$を通るため、どの三角形にも外心が存在することがわかります。


外心の性質

外心は三角形の各頂点からの距離が等しい点
 $(1), (2)$より、$\text{AO}=\text{BO}=\text{CO}$なので、外心は三角形の各頂点からの距離が等しい点であるといえます。

外心は三角形の外接円の中心
 また、$\text{AO}=\text{BO}=\text{CO}$であることより、3点$\text{A}, \text{B}, \text{C}$は点$\text{O}$を中心とし、半径$\text{AO}$の円周上にあることがわかります。(以降、この円を円$\text{O}$と呼ぶことにします。)

したがって、円$\text{O}$は$△\text{ABC}$の外接円である、すなわち外心は三角形の外接円の中心となります。


鋭角三角形の外心は内部、直角三角形の外心は斜辺の中点、鈍角三角形の外心は外部
 三角形の外心は、鋭角三角形の場合は三角形の内部鈍角三角形は三角形の外部にあり、直角三角形の場合は斜辺の中点と一致します。
この三角形の種類と外心の位置を考えるために、まずは三角形の内部の点、外部の点について考えます。
三角形の内部にある点は各辺に関して対角の頂点と同じ側
$△\text{ABC}$の内部に点$\text{X}$があるとは、
点$\text{X}$が直線$\text{BC}$に関して点$\text{A}$と同じ側にある、
かつ直線$\text{CA}$に関して点$\text{B}$と同じ側にある、
かつ直線$\text{AB}$に関して点$\text{C}$と同じ側にあること。
といえます。
三角形外部の点はいずれかの辺に関して対角の頂点と反対側
対して、$△\text{ABC}$の外部に点$\text{Y}$があるとは、
点$\text{Y}$が直線$\text{BC}$に関して点$\text{A}$と反対側にある、
または直線$\text{CA}$に関して点$\text{B}$と反対側にある、
または直線$\text{AB}$に関して点$\text{C}$と反対側にあること。
といえます。
ところで、円$\text{O}$に3点$\text{P}, \text{Q}, \text{R}$をとると、円周角$∠\text{PQR}$と円の中心$\text{O}$の位置関係について以下のことがいえます。
円周角の頂点は、鋭角のときは中心と同じ側、鈍角のときは中心と反対側
  • 円周角$∠\text{PQR}$が鋭角のとき、円の中心$\text{O}$は直線$\text{PR}$に関して円周角の頂点$\text{Q}$と同じ側にあります。
  • 円周角$∠\text{PQR}$が鈍角のとき、円の中心$\text{O}$は直線$\text{PR}$に関して円周角の頂点$\text{Q}$と反対側にあります。
鋭角三角形はすべての内角が鋭角なので、どの頂点と外心も同じ側
すると、$△\text{ABC}$が鋭角三角形のとき、すべての内角が鋭角なので、円$\text{O}$において、
点$\text{O}$が直線$\text{BC}$に関して点$\text{A}$と同じ側にあり、
かつ直線$\text{CA}$に関して点$\text{B}$と同じ側にあり、
かつ直線$\text{AB}$に関して点$\text{C}$と同じ側にある。
を満たし、鋭角三角形の外心は三角形の内部にあることがわかります。
鈍角三角形の鈍角の頂点は外心と反対側
対して、$△\text{ABC}$が鈍角三角形のとき、内角の1つが鈍角なので、円$\text{O}$において、
点$\text{O}$が直線$\text{BC}$に関して点$\text{A}$と反対側にある、
または直線$\text{CA}$に関して点$\text{B}$と反対側にある、
または直線$\text{AB}$に関して点$\text{C}$と反対側にある。
を満たし、鈍角三角形の外心は三角形の外部にあることがわかります。
$△\text{ABC}$が直角三角形のときは、タレスの定理の逆をもちいます。
タレスの定理の逆より直角三角形の斜辺は外接円の直径なので、斜辺の中点が外心
タレスの定理の逆とは、
直角三角形の斜辺は外接円の直径である。
というものです。
このことから、直角三角形の外心は斜辺の中点に一致することがわかります。

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