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2026年9月8日

三角形の五心① 三角形の内心とは?

三角形の内心
 三角形の内心とは、三角形の3つの内角の二等分線が交わる点のことです。

どの三角形においても、3つの内角の二等分線がただ1点で交わり、必ず内心が存在することを確かめてみます。


2つの内角の二等分線の交点をもう1つの内角の二等分線も通ることが内心が存在することの証明
 任意の三角形$△\text{ABC}$を考え、内角$∠\text{A}, ∠\text{B}$それぞれの二等分線を引き、交点を$\text{I}$とします。
内角$∠\text{C}$の二等分線が点$\text{I}$を通ることが示せれば、どの三角形にも内心が存在することがわかります。

 まず、交点$\text{I}$の位置について考えます。
$∠\text{A}$の二等分線は対辺$\text{BC}$と交わり、同様に$∠\text{B}$の二等分線は対辺$\text{CA}$と交わります。
すなわち、これら2本の二等分線は頂点から対辺までの間は三角形の内部を通ります。

したがって、$∠\text{A}, ∠\text{B}$の二等分線が交わるとすれば、それは三角形の内部であるため、交点$\text{I}$は必ず三角形の内部にあります。


2つの内角の二等分線の交点から各辺に垂線を下ろす
 次に、点$\text{I}$から辺$\text{AB}, \text{BC}, \text{CA}$へ垂線をおろし、その足をそれぞれ$\text{D}, \text{E}, \text{F}$とします。
△ADIと△AFIは合同
2つの直角三角形$△\text{ADI}$と$△\text{AFI}$に着目すると
  • 共通する斜辺より$\text{AI}=\text{AI}$
  • $∠\text{A}$の二等分線より$∠\text{IAD}=∠\text{IAF}$
斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\text{DI}=\text{FI}\end{equation}
です。
△BDIと△BEIは合同
今度は、2つの直角三角形$△\text{BDI}$と$△\text{BEI}$に着目すると
  • 共通する斜辺より$\text{BI}=\text{BI}$
  • $∠\text{B}$の二等分線より$∠\text{IBD}=∠\text{IBE}$
斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\text{DI}=\text{EI}\end{equation}
です。
2つの内角の二等分線の交点は各辺との距離が等しい
$(1), (2)$より
\begin{equation}\text{EI}=\text{FI}\end{equation}
であることがわかります。
△CEIと△CFIは合同
 線分$\text{CI}$を引き、2つの直角三角形$△\text{CEI}$と$△\text{CFI}$に着目すると
  • 共通する斜辺より$\text{CI}=\text{CI}$
  • $(3)$より$\text{IE}=\text{IF}$
斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しいので、合同であることがわかります。
このことから、
\begin{equation}\angle \text{ICE}=\angle \text{ICF}\end{equation}
です。
$∠\text{ICE}, ∠\text{ICF}$は$∠\text{C}$を半直線$\text{CI}$によって分割してできた角なので、$(4)$より、半直線$\text{CI}$は$∠\text{C}$の二等分線であることがわかります。

2つの内角の二等分線の交点はもう1つの内角の二等分線も通る
したがって、内角$∠\text{C}$の二等分線は、内角$∠\text{A}, ∠\text{B}$の二等分線の交点$\text{I}$を通るため、どの三角形にも内心が存在することがわかります。


内心の性質

内心は各辺との距離が等しい
 内心$\text{I}$から辺$\text{AB}, \text{BC}, \text{CA}$へそれぞれおろした垂線$\text{DI}, \text{EI}, \text{FI}$の長さは、内心$\text{I}$と辺$\text{AB}, \text{BC}, \text{CA}$の距離となります。
$(1), (2)$より、$\text{DI}=\text{EI}=\text{FI}$なので、内心は三角形の各辺からの距離が等しい三角形内部の点であるといえます。

内心は三角形の内接円の中心
 また、$\text{DI}=\text{EI}=\text{FI}$であることより、3点$\text{D}, \text{E}, \text{F}$は点$\text{I}$を中心とし、半径$\text{DI}$の円周上にあることがわかります。(以降、この円を円$\text{I}$と呼ぶことにします。)
そして、$△\text{ABC}$の辺$\text{AB}$と円$\text{I}$の半径$\text{DI}$、辺$\text{BC}$と半径$\text{EI}$、辺$\text{CA}$と半径$\text{FI}$はそれぞれ互いに垂直であることから、円$\text{I}$は$△\text{ABC}$のすべての辺と接する内接円であることがわかります。
したがって、内心は三角形の内接円の中心となります。


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