の係数が以外のの2次式
はどのようにしての1次式同士の掛け算の形まで因数分解すればよいでしょうか?
たすき掛け
まずは、主に整数係数の範囲で因数分解するときの因数分解公式
を利用した因数分解、たすき掛けによる因数分解を紹介します。
とすると、係数と定数項には
という関係があることがわかるので、この連立方程式からを求め、因数分解後の式を導き出します。
を因数分解して、掛けてとなる因数の組をいくつかつくり、の候補とします。同様にを因数分解して掛けてとなる因数の組をつくっての候補とします。
これらの因数の組を組み合わせて、連立方程式の解を求めます。
これらの因数の組を組み合わせて、連立方程式の解を求めます。
の候補を上図のように配置し、対角線上の数を掛け合わせます。これがたすき掛けです。
たすき掛けの積の和は2次式のの係数、そしてそれに等しいに対応しており、もし連立方程式の解として適した候補を選んでいれば、積の和は2次式のの項に等しくなります。
このとき、連立されたすべての方程式を同時に満たす解を見つけたことになります。
たすき掛けの積の和は2次式のの係数、そしてそれに等しいに対応しており、もし連立方程式の解として適した候補を選んでいれば、積の和は2次式のの項に等しくなります。
このとき、連立されたすべての方程式を同時に満たす解を見つけたことになります。
例として、2次式を因数分解してみます。
まずは、各項に共通因数があるので、を括りだして
のようにより簡単な形の2次式をつくります。の係数が負の数のときは、括りだした後にできる2次式のの係数が正となるように共通因数を括りだすようにします。
を括りだした後の2次式について、とすると、係数と定数項には
という関係があることがわかります。
の掛けてになる整数の組について考えてみます。このとき、負の数同士の組は考えず、左右を入れ替えた整数の組は同じものとします。
すると、
すると、
のただ1組があることがわかります。これは連立方程式の解の一部の候補となります。
次に、の掛けてになる整数の組について考えてみます。こちらはのときとは反対に、負の数同士の組を含め、左右を入れ替えた整数の組は別のものとして区別します。
すると、
の4組があることがわかります。これらは連立方程式の解の一部の候補となります。
すると、
たすき掛けで当てはめるの候補はただ1つなので、の候補を1つずつ当てはめて検証していきます。
上記のような条件での候補を考えたのは、連立方程式の解を1つに絞り込みたかったからです。
もし、の候補である掛けてとなるような整数の組にがあったとすると、であるため、候補となるための制限がなければも候補に含まれることになります。
そして、の候補である掛けてとなるような整数の組にがあったとすると、同様にも含まれています。
すると、たすき掛けをしたときと、と、と、との組み合わせはすべて同じ積の和となります。
すなわち、が連立方程式の解であったならば、もまた解であり、計4個の解があることになります。
すなわち、が連立方程式の解であったならば、もまた解であり、計4個の解があることになります。
そこで、左右の数を入れ替えた候補と符号が反転している候補を消して、連立方程式の解をただ1つにします。
ただし、両方の候補からは消しません。
例えば、入れ替えただけの候補を消す場合を考えます。
の候補からはをそれぞれ入れ替えたを消し、の候補からをそれぞれ入れ替えたを消すことができれば、連立方程式の解からも入れ替えただけの解が消えて2個になります。
しかし、これは適切に候補を消した場合であり、の候補からをそれぞれ入れ替えたを消してしまうと、たすき掛けの積の和がとなる組み合わせがなくなってしまい、連立方程式は解けなくなってしまいます。
不用意に候補を絞り連立方程式を解けなくしてしまうことを防ぐためには、どちらかの候補だけを絞るのが有効です。
連立方程式の解の個数を減らすということは、適切なの候補の組み合わせを減らせばよく、それはどちらかの候補だけを絞るだけで実現できるからです。
符号が反転している候補も、同様でどちらかの候補のものだけを消します。
連立方程式の解の個数を減らすということは、適切なの候補の組み合わせを減らせばよく、それはどちらかの候補だけを絞るだけで実現できるからです。
符号が反転している候補も、同様でどちらかの候補のものだけを消します。
どちらの候補を絞るのかについては、の候補のほうが適切です。なぜなら、因数分解後の1次式のの係数であるを正の数に限定したいからです。
これは、因数分解する際のルールではなく、因数分解後の式の形を整えることを目的としたものです。
これは、因数分解する際のルールではなく、因数分解後の式の形を整えることを目的としたものです。
また、たすき掛けの前に2次式のの係数が正の数となるように共通因数を括りだしていたのも、を正の数に限定するための準備でした。
そうすることでの候補に必ず負の整数同士の組が含まれることになり、これを符号が反転している候補として消すことでの候補を正の整数同士の組に限定できます。
そうすることでの候補に必ず負の整数同士の組が含まれることになり、これを符号が反転している候補として消すことでの候補を正の整数同士の組に限定できます。
たすき掛けで因数分解できないものは以下の方法で因数分解します。
それ以外の方法
どのの2次式もの係数を共通因数として括りだせばの係数がのの2次式をつくることができることを利用して因数分解します。
の2次式について、であることから
と書くことができます。
ただし、どのような係数の範囲で因数分解することを求められているかに注意して、適切にを因数分解し、その因数をそれぞれに掛ける必要があります。
例えば、2次式を整数係数の範囲で因数分解する場合を考えます。
の係数で括りだして
となるので、
と因数分解されます。
の係数で括りだして
とし、を因数分解すると
しかし、やが含まれていては整数係数の範囲で因数分解したことにはならないので、最初に括りだしたの因数をとそれぞれに掛けます。
とはともにを掛ければ整数係数の1次式となり、を因数分解するととなるので、
とすることで整数係数の範囲で因数分解した形になります。
とはともにを掛ければ整数係数の1次式となり、を因数分解するととなるので、
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