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2022年10月5日

x^2の係数が1以外の2次式の因数分解はどうやる?

 x^2の係数が1以外の2次式、つまりpx^2+qx+rの因数分解をするにはどうすればよいのでしょうか?


 px^2+qx+rを因数分解するには、展開公式
(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd
を使って考えます。
px^2+qx+r=acx^2+(ad+bc)x+bdとすると各項の係数は
\begin{cases}p=ac\\[0.5em]q=ad+bc\\[0.5em]r=bd\end{cases}
という関係があることがわかります。
この係数の関係よりa,b,c,dを求めることができたなら
px^2+qx+r=(ax+b)(cx+d)
というように因数分解できます。

 例として6x^2-9x-15を因数分解してみます。
まずは各項に共通因数がないかを調べます。
それぞれの項の係数と定数項は3の倍数であるため3をくくり出すことができます。
6x^2-9x-15=3(2x^2-3x-5)
こうすることで係数や定数が小さくなるので因数分解しやすくなります。また、このときにx^2の係数が正の数になるようにしておくとより因数分解しやすくなります。

 括弧の中2x^2-3x-5を因数分解します。

2x^2-3x-5=(ax+b)(cx+d)
と因数分解できるとすると
(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd
であるから、各項の係数は
\begin{cases}2=ac&\cdots(1)\\[0.5em]-3=ad+bc&\cdots(2)\\[0.5em]-5=bd&\cdots(3)\end{cases}
となります。
 x^2の係数が1のときの因数分解と同様に積のみの式(1)(3)から考えます。
(1)より、掛けて2になる組(a,c)2の約数から探すと
\begin{array}{l}(-2,-1),&(1,2),\\[0.5em](-1,-2),&(2,1)\end{array}
ですが、x^2の係数候補は組に正の数を含むものだけで良いので、右半分に絞り込まれます。さらにacを入れ替えただけの組も外すことができるので候補は(1,2)だけになります。(理由は後述します。)
(3)より、掛けて-5になる組(b,d)-5の約数から探すと
\begin{array}{l}(-5,1),&(1,-5),\\[0.5em](-1,5),&(5,-1)\end{array}
の4つになります。こちらは絞り込まずそのままです。(こちらも理由は後述します。)
 次に(a,c)の候補と(b,d)の候補から1つずつ選んで、(2)を成り立たせる組み合わせを探します。
2次式の因数分解
そのためには上図のように候補の中から1つずつ選んだ(a,c),(b,d)をそれぞれ縦に書いて並べます。そして斜めに掛けた数の合計がad+bcなので、(2)が成り立っているかを確かめます。
(2)が成り立っていることが確認できたら、今度は横に見てabcdの間に”x+”を書き加えると、因数分解したときの2つの因数となる1次式が求まります。
 候補から(a,c)=(1,2)(b,d)=(-5,1)を選んだ場合は、
因数分解 できない場合
ad+bc=-9となり(2)とは違う式になるので、この候補の組み合わせは6x^2-9x-15を因数分解したものとは異なることがわかります。
(2)の式が成り立つ組み合わせを探すと
因数分解 できる場合
(a,c)=(1,2)(b,d)=(1,-5)で成り立つので2x^2-3x-5=(x+1)(2x-5)となります。
したがって、最初にくくり出した3とこの結果から
6x^2-9x-15=3(x+1)(2x-5)
のように因数分解されることがわかります。

Q. 掛けてx^2の係数になる数の組は正の数を含むものだけでよいのはなぜ?

 因数分解後の1次式のxの係数を正の数で揃えるためです。xの係数が負の数のとき、1次式全体に-1が掛けられていると考えるので-1をくくり出してしまいます。なので、-1をくくり出す回数を減らせば因数分解を簡単にすることができます。

例:

\begin{align*}(a,c)=(-1,-2),&\ (b,d)=(-1,5)のとき\\ (-x-1)(-2x+5)&=-(x+1)\cdot\{-(2x-5)\}\\[0.5em]&=-(-1)(x+1)(2x-5)\\[0.5em]&=(x+1)(2x-5)\end{align*}
このように因数分解の手順が増える場合があります。

Q. 入れ替えただけの組をx^2の方は候補から消して、定数項の方は消さないのはなぜ?

 なるべく少ない候補の数ですべての因数の組をつくれるようにするためです。
例えば、(a,c)の候補が(p,q),(q,p)(b,d)の候補が(r,s),(s,r)という同じ数の組を入れ替えただけのものだったとします。
これらの候補の中でつくれる組み合わせは
\begin{array}{l}(p,q)\&(r,s),&(p,q)\&(s,r),\\[0.5em](q,p)\&(r,s),&(q,p)\&(s,r)\end{array}
の4通りです。
このうち(p,q)\&(r,s)(q,p)\&(s,r)(p,q)\&(s,r)(q,p)\&(r,s)は同じ因数の組が現れます。(例えば(p,q)\&(r,s)からは(px+r)(qx+s)が、(q,p)\&(s,r)からは(qx+s)(px+r)がつくれます。これらは交換法則より(px+r)(qx+s)=(qx+s)(px+r)がいえます。)
同じ因数の組が現れるものを外すことができれば最小の組み合わせ数で済み、因数分解を簡単にすることができます。その方法が入れ替えただけのx^2の係数の候補を外すことなのです。

また、x^2の係数は正の数を含むものに限定するので、こちらの候補をさらに絞り込めば、(2)を満たす(b,d)の組み合わせ探しだけに集中しやすくなります。


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