1. 「AとBは同じテストを受けた。Aのテストの得点は50点、Bの得点は75点だった。
AとBのテストの得点の比を答えよ。」
2. 「AとBは同じテストを受けた。AとBのテストの得点の比は5:4だった。
Aの得点が80点であるとき、Bの得点は何点か?」
比とは
例えば、長さが2mの青のロープと3mの赤のロープがあったとき、青と赤のロープの長さの関係を表したいとき、
a. 青のロープの長さは、赤のロープの長さの$\dfrac{2}{3}$倍
b. 赤のロープの長さは、青のロープの長さの$\dfrac{3}{2}$倍
のようにどちらか一方を基準にして何倍という1つの数で表す方法がありますが、基準を決めずに相対的に複数の数を比較する方法が比となります。
例の場合は、青と赤のロープの長さの比は、$2:3$と表されます。”:”を”÷”に置き換えて計算したものを比の値といい、例の場合では$2÷3$でa.の$\dfrac{2}{3}$と等しくなります。これは右側の比の数が基準になるからです。
比は相対的に比較する方法なので、1つの分数で表すことができない3つ以上の数を$1:2:3$のように1つの比で表すことができます。これを連比といいます。
1.の問題
テストの得点はAが50点、Bが75点だったので、AとBの得点の比は$50:75$となります。
しかしここで比の値に着目します。この比の値は$\dfrac{50}{75}$なので約分すると
\[\frac{50}{75}=\frac{2}{3}\]
$\dfrac{2}{3}$を比で表すと$2:3$で、$50:75$と比の値が等しいので
\[50:75=2:3\]
と書けます。
比を答える場合は、約分をするように簡単な整数比に直す必要があります。
よって、答えは$\textbf{2:3}$です。
2.の問題
Bの得点を$b$とすると、AとBの得点の比は$80:b$です。これは$5:4$と等しいので
\begin{equation}80:b=5:4\end{equation}
となります。
これをどうやって解くかを考えます。
両辺で比が等しいならば比の値も等しいので
\[\frac{80}{b}=\frac{5}{4}\]
両辺に$4b$を掛けると
\begin{equation}80×4=5× b\end{equation}
\begin{align*}320&=5b\\ 5b&=320\end{align*}
両辺を5で割ると
\[b=64\]
したがって、Bの得点は64点であると求めることができました。
図1のように比例式の外側の数同士の積と内側の数同士の積で(2)の式ができていることがわかります。
なので、比の値を考えずとも図1のように式を変形して比例式を解くことができます。
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