「複利運用でとある金融商品に200万円を投資した。3年後収益率を調べてみると33.1%であった。この金融商品の平均年率は何%であったのかを求めよ。」
※収益率…投資額を基準として現在の金額の増減の程度を表したもの。
\[\textbf{収益率}=\frac{\textbf{現在の金額}-\textbf{投資額}\
}{\textbf{投資額}\ }×100\]
複利とは投資額と今までの利益の合計を元本として計算する方法です。
投資額をa円、年率をr%とすると、1年後の金額$A_1$は
\[A_1=a\left(1+\frac{r}{100}\right)\]
となります。2年後の金額$A_2$は
\[A_2=A_1\left(1+\frac{r}{100}\right)=a\left(1+\frac{r}{100}\right)^2\]
3年後の金額$A_3$は
\[A_3=A_2\left(1+\frac{r}{100}\right)=a\left(1+\frac{r}{100}\right)^3\]
となります。このことからn年後の金額$A_n$は
\[A_n=a\left(1+\frac{r}{100}\right)^n\]
であることがわかります。 このことから問題の年率をr%として3年後の金額$A_3$は
\begin{equation}A_3=2000000\left(1+\frac{r}{100}\right)^3\end{equation}
また、3年後の収益率より、
\begin{equation}\begin{aligned}A_3=2000000\left(1+\frac{33.1}{100}\right)&=2000000×1.331\\
&\left(=2662000\right)\end{aligned}\end{equation}
(1), (2)より
\begin{equation}\begin{aligned}2000000\left(1+\frac{r}{100}\right)^3&=2000000×1.331\\
\left(1+\frac{r}{100}\right)^3&=1.331\end{aligned}\end{equation}
左辺を展開して
\[1+3\cdot\frac{r}{100}+3\cdot\left(\frac{r}{100}\right)^2+\left(\frac{r}{100}\right)^3=1.331\]
$\dfrac{r}{10}=x$とすると
\[1+3\cdot\frac{x}{10}+3\cdot\left(\frac{x}{10}\right)^2+\left(\frac{x}{10}\right)^3=1.331\]
両辺を1000倍して整理すると
\begin{equation}\begin{aligned}1000+3\cdot100\cdot x+3\cdot10\cdot x^2+x^3
&=1331\\ 3\cdot100\cdot x+3\cdot10\cdot x^2+x^3
&=331\end{aligned}\end{equation}
となり、この3次方程式を解くことで年率を導くことができます。しかし(4)の右辺を
\[3\cdot100\cdot x+3\cdot10\cdot x^2+x^3=3\cdot100+3\cdot10+1\]
と変形すると、両辺を比較して
\[\left\{\begin{aligned}3\cdot100\cdot x&=3\cdot100\\ 3\cdot10\cdot
x^2&=3\cdot10\\ x^3&=1\end{aligned}\right.\]
であるので、これらを満たすのは$x=1$です。したがって、
\begin{align*}x=\frac{r}{10}&=1\\ r&=10\end{align*}
となり、答えは平均年率10%であるとわかります。あるいは(3)を利用して、
\begin{align*}\left(1+\frac{r}{100}\right)^3&=1.331\\
1+\frac{r}{100}&=\sqrt[3]{1.331}\\
\frac{r}{100}&=\sqrt[3]{1.331}-1\\
r&=100\sqrt[3]{1.331}-100\end{align*}
を計算することで年率を求めることができます。
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