$(a+b)(c+d)$の展開には分配法則を利用します。
分配法則は
\[p× (q+r)=p× q+p× r\]
という式で紹介され、単項の因数と複数の項を含む因数の積の場合に利用されるように見えますが、複数の項を含む因数同士の積にも利用できます。
$(a+b)(c+d)$の場合、$a+b=A$とおくと、
\begin{align*}(a+b)(c+d)&=A(c+d)\\ &=Ac+Ad\\ \\ &=(a+b)c+(a+b)d\\ \\ &=ac+bc+ad+bd\end{align*}
というように分配法則を2度利用して展開することができます。
$c+d=B$とおいた場合でも同様に展開することができます。
\begin{align*}(a+b)(c+d)&=(a+b)B\\ \\ &=aB+bB\\ &=a(c+d)+b(c+d)\\ \\ &=ac+ad+bc+bd\end{align*}
$a+b=A$とおいた場合と順番が違うだけで同じ結果が得られます。
したがって、二項式同士の積の展開公式は
\[(a+b)(c+d)=ac+bc+ad+bd\]
となります。
三項式同士の積の場合も同様に展開することができます。
$(a+b+c)(d+e+f)$の$a+b+c=A$とおくと、
\begin{align*}(a+b+c)(d+e+f)&=A(d+e+f)\\ \\ &=Ad+Ae+Af\\ \\ &=(a+b+c)d+(a+b+c)e+(a+b+c)f\\ \\ &=ad+bd+cd+ae+be+ce+af+bf+cf\end{align*}
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