で定義されている連続関数の微分係数を調べるととにおける微分係数がありません。
なぜこのようなことがいえるのでしょうか?
この増減表に着目すると定義域の端であるとにおけるは書きません。
これはなぜかということについて考えます。
で定義されている関数というのは、の中でのみの値に対するの値が定められているということを意味します。
次に微分係数の定義について考えます。
関数のにおける微分係数は
という式で定義されています。これは、微分係数とはがから限りなく近い値まで変化したときのの平均変化率であることを意味しています。
ここで、がという値をもつための条件は
であることです。
すなわち、をより小さい値からに近づけたときのの収束値とをより大きい値からに近づけたときのの収束値が一致する必要があり、これが満たされたときにはその一致した値をもつということです。
すなわち、をより小さい値からに近づけたときのの収束値とをより大きい値からに近づけたときのの収束値が一致する必要があり、これが満たされたときにはその一致した値をもつということです。
以上を踏まえてで定義されている連続関数のにおける微分係数について考えます。
まず、における微分係数は左側極限と右側極限で一致した値となるのでそれぞれについて調べると、
右側極限
左側極限
しかし、はで定義されているので、この範囲外であるにおけるの値は定義されていません。
したがって、左側極限を考えることができないので値をもちません。
以上より、右側極限と左側極限の値が一致しないのでにおける微分係数はないことがわかります。
同様ににおける微分係数について調べると、左側極限はの範囲で考えることができて収束値をもちますが、右側極限は値をもたないことから、における微分係数もないことがわかります。
なお、以外に微分係数をもたない点がないようにを連続関数としましたが、連続関数でなくても同様に定義域の端では微分係数をもちません。
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