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2024年8月12日

平均変化率とは?

 平均変化率とは、$x$の変化量に対する$y$の変化量の割合、言い換えれば$x$の増加量$1$あたりの$y$の変化量のことです。変化の割合ともいいます。


平均変化率
関数$y=f(x)$の$x$が$a$から$b$まで変化するとき、$y$は$f(a)$から$f(b)$まで変化します。このときの平均変化率は
\[\large\frac{f(b)-f(a)}{b-a}\tag1\]
で求めることができます。
ここで、1次関数$y=px+q$($p,q:$実数)の平均変化率を調べてみると、$(1)$より
\begin{align*}\frac{(pb+q)-(pa+q)}{b-a}&=\frac{p(b-a)}{b-a}\\[0.5em]&=p\end{align*}
となります。$a,b$は任意の実数なので、どの区間でも平均変化率は常に$p$であるということです。
そして$p$は1次関数の傾きでもあるので、1次関数の平均変化率は傾きに等しくなることがわかります。
すなわち、直線が通る2点の座標がわかっている場合、その直線の傾きを$(1)$を利用して求めることができます。
また、関数$y=f(x)$のグラフ上の2点$\bigl(a,f(a)\bigr),\bigl(b,f(b)\bigr)$を通る1次関数(ただし、傾き$0$も含む)が必ず存在することを考えれば、関数$y=f(x)$の$x$の値が$a$から$b$まで変化するときの平均変化率は2点$\bigl(a,f(a)\bigr),\bigl(b,f(b)\bigr)$を通る直線の傾きに等しいことがわかります。

平均変化率と微分係数
 $x$の値$a$を基準とし、$x$の変化量を$h$として$y=f(x)$の平均変化率を考えると、これは$x$が$a$から$a+h$まで変化し、$y$が$f(a)$から$f(a+h)$まで変化した場合を考えているので$(1)$より
\[\frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}=\large\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\tag2\]
と書くことができます。
$(2)$において$x$の変化量$h$が$0$に限りなく近づけた場合の平均変化率のことを微分係数といい、
\[\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\]
という式で表されます。
関数$y=f(x)$のグラフが直線の場合は$a$の値にかかわらず微分係数は直線の傾きとなりますが、$y=f(x)$のグラフが曲線の場合は$x=a$における微分係数はその点における接線の傾きとなります。

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